G・U・Mものがたり_
Chapter 3
G・U・Mホームデンティストシリーズ発売
CPCという、歯周病菌を攻撃する秘密兵器と、その効果を高めるハミガキ成分。ようやく姿をあらわした敵「歯周病菌」に立ち向かうため、当時の研究所の粋を集めて開発した歯周病予防ハミガキG・U・Mが誕生したのは、1989年10月のことです。
ハミガキとともに、独特の毛先で歯周病菌の塊であるプラーク(歯垢)をかき出すハブラシや、デンタルフロス、液体という新しい剤型を提案したデンタルリンスもラインナップ。ここに「G・U・Mホームデンティストシリーズ」が発売されました。
とはいえ、歯周病菌という敵に照準を合わせ、CPCを中心にした戦法は決まっても、人々の口の中に届かなければ、たたかいは始まりません。社員が一丸となった、G・U・Mを広めるプロジェクトがここにスタートしたのです。
G・U・Mホームデンティストシリーズ
まずは社員が歯周病を知ること
G・U・Mの販売戦略は、これまでのハミガキの販売戦略とは大きく違っていました。歯槽膿漏など歯ぐきのトラブルは、歯周病菌という細菌が暴れて起こす一種の感染症であることがわかって、すでに数年。とはいえ、一般の人たちの認識はまだまだ低く、当時、「歯槽膿漏」という言葉は100%知られていても、「歯周病」という言葉はまだ10%程度の認知率しかありませんでした。
そこでまず最初に取り組んだのは、社員への啓発です。歯周病のメカニズムから、その撃退方法まで、歯周病についての専門的な知識をたたき込まれました。社内では、歯周病とその改善や予防に関する勉強会がしばしば開かれ、営業部の社員は歯周病について解説された手帳を手に、営業先へと散っていきました。
次は、こうして歯周病の専門家並の知識を身につけた社員たちの口から、世の人々に、歯周病のおそろしさと、G・U・Mの有効性を広めていく番です。取引先のスーパーやドラッグストアはもちろんのこと、全国の歯科医にも歯周病に関する最新情報を提供。またお客様にも直接、歯周病について知ってもらおうと、PTAや町内会など、どんな小さな集まりでもあると聞けば、営業部員が駆けつけて、レクチャーをするなど草の根の活動もおこないました。
社員勉強会
文通によるダイレクトマーケティング
ユニークだったのは、G・U・Mのパッケージに、一枚のハガキを入れたことでした。このハガキによってお客様から寄せられた、歯周病についての疑問にひとつひとつ答えるため、サンスターでは文通専門の社員も配置しました。
メールが普及した今では当たり前になった「ダイレクトマーケティング」のはしりです。かくしてたくさんのハガキが寄せられ、社員とのハガキのやりとりが数十回に及んだお客様もいたといいます。
おなじころテレビや雑誌で、歯周病についての関心が高まっていったことも、追い風になりました。そして歯周病という言葉は、一気に浸透していくことになります。ただし、G・U・Mの名が広く知られ、売上を伸ばしていくのは、この数年あとのことです。
お客様の声を反映した
ホームデンティストシリーズ(小冊子)24冊
03「当時の営業部社員」
それまでのハミガキの売り方は、「歯が白くなる」「口臭を抑える」と、その効能をうたっていればよかった。ハミガキを売っていながら、実は専門知識はなくても務まったのです。そんななかG・U・M発売に絡んだ歯周病菌の勉強会は、初めての試み。今考えてみると、この社員の猛勉強が、社員の連帯感を高め、みんなでG・U・Mを売るんだという大きなパワーにつながったと思います。
G・U・Mが発売された89年当時、G・U・Mのコンセプトに関連する、とある週刊誌の記事が大きな話題となりました。それは?
- キスをすると歯周病がうつる
- キスをすると歯が白くなる
- キスの前のうがいは現代人のたしなみ