口臭/ネバツキ
口臭は特別なものではなく、誰にでも少なからずあるものです。
ここでは、口臭に対する正しい知識と対策を解説していますので、自信をもって会話を楽しむためにも、口臭のことをきちんと理解して、さわやかな息を手に入れましょう。
お口由来の口臭の原因
お口由来の口臭にはニンニクやニラを食べた後やタバコを吸った後に一時的に出るものを除くと、“生理的口臭”と“お口の病気やトラブルが原因の口臭”に分けられます。
生理的口臭
口臭はあるけれど、お口の中に原因となりそうな病気やトラブルがない場合を生理的口臭といいます。
空腹時や緊張した時など生活リズムや習慣に関係して起こる口臭は、病気ではなく大なり小なり誰にでもあるものなので、深刻になり過ぎないようにしましょう。
お口の病気が原因の口臭
お口由来の口臭は、細菌が食べカスなどを分解して、揮発性の硫黄化合物(VSC(Volatile Sulfur Compounds))というガスを作り出すことで発生します。
VSCには大きく分けて3つの種類があり、これらのにおいが単体、もしくは混ざり合ってお口から発せられることで口臭となります。
- 硫化水素(イオウ温泉のにおい)
- メチルメルカプタン(腐った玉ねぎのようなにおい)
- ジメチルサルファイド(ニンニクのようなにおい)
口臭が気になる方は、むし歯や歯周病などが原因で、お口の中の細菌が増殖し、それが臭いガス(VSCガス)の発生原因となっている場合があります。
また、お口の中が不衛生である場合や義歯汚れが原因となり、お口の中の細菌が増殖し、口臭の原因になる場合もあります。口臭と同時にお口の乾燥が気になる方は、乾燥によって唾液が持つ洗浄作用や抗菌作用が働きにくくなり、お口の中で細菌が増殖しやすい環境になっている可能性があります。
口臭がひどく改善もされない場合は、病気そのものの治療が必要な場合がありますので、歯科医院の健診を受けるようにしましょう。
口臭の対策
お口由来の口臭にはニンニクやニラを食べた後やタバコを吸った後に一時的に出るものを除くと、“生理的口臭”と“お口の病気やトラブルが原因の口臭”に分けられます。
1. 舌苔(ぜったい)のケア
口臭が気になる方は、まず、最初に、舌の表面に白っぽいもの(喫煙習慣のある方は黄色味がかっていることもあります)があるかどうかをチェックしてみましょう。これは“舌苔(ぜったい)”と呼ばれるもので、口臭の原因となります。舌苔を除去するには、ハブラシや舌用のブラシで軽く舌の上を2~3回こすることが有効です。
ただし、舌の表面は傷つきやすいので、強くこすり過ぎないように気をつけましょう。
2. 口腔の清掃/保湿
お口の中が不衛生である場合や義歯汚れが原因で口臭につながっている場合には、お口の中を清潔に保つように心がけることが大切です。口臭と同時に、お口の乾燥(ドライマウス)が気になる方は、お口をうるおすことで、口臭が改善する場合もあります。
3. むし歯/歯周病予防
舌もきれいだし、お口の中も衛生的、乾燥していない、でも口臭が気になる、という方は、お口の中に何らかの病気があることが考えられます。日常的にむし歯予防や歯周病予防を行いましょう。
4. ネバツキの原因/対策
ネバツキの原因の多くが、歯周病菌などの口腔由来の細菌によるものです。細菌が口腔内に付着し、ぬるぬるしたのり状の物質を作って集団になることが、お口のネバツキの要因となっています。
また、朝起きた時に口臭やネバツキを感じることが多いのは、口腔内の細菌が、私達が寝ている間に増殖するためです。ネバツキの対策には、口腔内の清掃や歯周病対策、特におやすみ前のケアが効果的です。