毎日何気なく手に取っているハミガキ。実はそのパッケージの内側で、サンスターは10年以上にわたり地道な環境対応を続けてきました。そのひとつが、ハミガキチューブの薄型化によるプラスチック使用量を削減する取り組みです。サンスターは2030年までに、容器・包装に使用する石油由来プラスチックの50%以上を、植物由来またはリサイクルプラスチックへ切り替える目標を掲げています。これと並行し、努力を重ねてきたのがチューブそのものの「薄型化・軽量化」です。2015年から段階的に進めてきた薄型化が徐々に成果を上げ、2022年には携帯用ハミガキセットのケースとキャップの軽量化により、年間約1.8トンのプラスチックを削減しました。さらに2023年には、Ora2プレミアムペーストのハミガキチューブの厚みを310μmから240μmへと約23%薄型化し、こちらは年間約12.3トンもの削減に成功。地道に石油由来プラスチックの削減を進めています。
見た目には見えない、環境対応技術の積み重ね。パッケージ開発担当者に話を聞きました。
- Qハミガキチューブの薄型化をどのように進めてきましたか?
- Aハミガキチューブは、中身の保護はもちろんですが、使いやすさや生産性も考慮して設計されています。しかし、単に素材を薄くするだけでは、品質や利便性が損なわれてしまいます。そこで、ハミガキチューブを構成する「異なる素材を重ねた多層構造」を一から見直しました。この検証の結果、使用感や品質を維持したまま軽量化を実現する新仕様の開発につながりました。見た目では分かりませんが、細やかな工夫の積み重ねが、環境負荷の低減へとつながっています。
- Q今後のハミガキチューブの環境対応で取り組みたいことは?
- A薄型化が大きな成果を上げる一方で、現行の多層構造チューブは、アルミや種類の異なるプラスチックが含まれていてリサイクルが難しいという課題もあります。次の挑戦は、リサイクル可能な新構造のチューブを開発することです。現在取り組んでいるのは、単一素材でチューブを作ること。リサイクル時に複数素材を分離・分解しやすい新しい多層チューブ構造。そして、バイオマスプラスチックや再生材の活用など、循環型社会を見据えた技術開発です。
一方で課題もあります。リサイクルが可能になっても、実際に回収・再資源化される仕組みがなければ意味がありません。そのためには、業界他社や自治体と協力することで、回収システムを構築することも視野に入れています。製品設計とリサイクルシステム、この両輪で真の循環型社会の実現に貢献していきます。