物流業界の労働環境改善に貢献する、伝票電子化や中継倉庫設置の取り組み。

2023/11/08

出典:国土交通省「トラック輸送状況の実態調査(全体版)平成23年度」

物流ドライバーの時間外労働に上限規制が設けられる、いわゆる「物流の2024年問題」の解決に向け、ドライバーの労働環境改善や物流業務の効率化に向けた様々な取り組みが、各方面で進んでいます。その中で、ドライバーの拘束時間の約2割を占めていると言われる荷役作業(トラックへの荷物の積込みや積卸し)の効率化について、サンスターも物流パートナー企業や各事業会社と連携し、拘束時間を短縮化する対策について、様々な取り組みをはじめています。

その一つとして、物流の企業間情報連携をサポートする株式会社プラネットとの連携により、2023年8月から物流業務の受発注伝票電子化のテストをスタートしました。納品時の検品作業を簡素化し、荷受け作業時間を短縮することで、物流における労働生産性の向上と物流資源の効率化を実現。また、サプライチェーン全体の輸配送や在庫の最適化、紙伝票廃止による伝票レスなどを通し、結果として物流全体のCO2排出も削減が見込まれます。

長距離輸送の是正に向けた倉庫拠点の見直しも始まりました。これまでは、縦に長い日本の中ほどに位置し、生産拠点近隣エリアの滋賀県から全国へ発送していましたが、関東以北向けは埼玉県の倉庫からの配送体制に変更。物流量の多い首都圏への発送負荷を軽減しました。また、九州に向けた発送には、ドライバーが交代できるように岡山県に中間地点を設けて、一人当たりの運転時間を短縮する取り組みを4月からスタートしています。さらに、荷役時間短縮に向けて手作業を廃止し、パレット輸送化を進めています。手荷役に比べ、パレット輸送では作業時間が75%削減されるとの報告もあり、作業上の安全性も高まっています。
これからもサンスターは、物流で働く人の環境改善、効率向上、環境負荷低減に貢献する取り組みを進めていきます。

<物流の「2024年問題」とは>

物流ドライバーは、他業種に比べて約2割低賃金で、かつ約2割長時間の労働環境であるとの厚生労働省の調査報告があります。これを是正するべく2024年4月よりドライバーの時間外労働に対する上限規制が適用されることになりました。これらの法改正を受け1回あたりの配送可能輸送距離は約2割程度減少、運送会社では売上と利益が減少、結果として製造業など荷主企業へのコストアップやサービスダウン要請が進むとの見方が強まっています。このような状況を回避するためには、ドライバーの労働環境を整備し、効率的な輸送体制へ改善する必要があります。

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