災害時に役に立つものを、普段から使っておくという発想。

2022/03/01

いくら防災グッズを備えていても、いざというときに使えないと意味がありません。どこかにあるはずなんだけど、どこにしまってあるか分からない、なんて論外です。いつも使っているものや日頃の習慣が、災害時にも使えたり、役立ったりしないものだろうか。このような日常と災害時を分けない、フェーズフリーという考え方が、いま注目されています。

フェーズフリーの5つの原則

1 常活性 どのような状況においても利用できること
2 日常性 日常から使えること、日常の感性に合っていること
3 直観性 使い方、利用の仕方が分かりやすいこと
4 触発性 気づき、意識、災害に対するイメージを生むこと
5 普及性 参加しやすく、広めやすいこと

日常で使う物のフェーズフリー

災害が常態化する中、コロナ禍ということもあり、避難所ではなく自宅避難が推奨されています。具体的には、1週間分の飲料水と食品の備蓄するようにと。また、いざというときに、消費期限切れにならないよう、ローリングストックなどの保存法も啓発されていますが、これも広い意味でフェーズフリーの一例と言えます。日頃使う生活用品の中にも、災害時に役立つ機能を持ったものがあります。

日常はボーダー柄、災害時に計量メモリとして使える紙コップ
紙コップ メジャーメント:サンナップ株式会社

日常は水回りで、災害時には屋外での使用可能な耐水性の付箋紙
Post-it® Extreme Notes:スリーエム ジャパン株式会社

教育の現場にも導入されはじめたフェーズフリー

文部科学省「学校安全総合支援事業」の一環として、鳴門市教育委員会が取り入れたフェーズフリー。幼稚園や小中学校の教育向け配布した冊子「いつもともしもがつながる学校のフェーズフリー」には、日常の教育で教えること自体が非常時にも役立つ視点が紹介されています。例えば、幼稚園で「上履きをきちんと履きましょう」と教えることは、災害時に割れたガラスや瓦礫が散乱する中でも安全に移動することにつながります。数学の授業で、速さ・道のり・時間の求め方を理解するために、津波は陸上を時速36㎞、100mを10秒で進むといった知識を教えることで、自分の走る速さと津波の速さを比較したり、早く避難する必要性も感じることができます。日頃から学校で「手洗い、うがい、マスクの着用」が徹底されることで、災害時にも自ら衛生面に気をつけ、感染症等の病気から自分の体を守ろうという意識が自然に働いたりもします。子どもたちに限らす、お口の健康を守ることは、身体の健康を守ること。ふだんの習慣が、避難生活の健康にもつながります。
日常にも、災害時にも。サンスターでもそんな視点で、液体ハミガキの使用を呼びかけています。

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