62 口腔ケアで被災地に寄り添い、地域の健康を守る 中久木 康一 歯科医師

昨年、九州地方を襲った熊本地震。その爪あとは、今も生々しく残っている。そんな被災地の医療従事者たちは、健康状態が悪化しておこる災害関連死から被災者を守るのが使命。その災害関連死の中でも、高齢者の死亡を増加させる恐ろしい病気が誤嚥性肺炎。口の中の雑菌が、唾液と一緒に肺へ流れ込んで起きる病気だ。阪神淡路大震災のときには、２００人以上が肺炎で死亡。その多くは誤嚥性肺炎の可能性が高いと推測されている。その誤嚥性肺炎の予防には口腔ケアが重要で、災害時でも口の中を清潔に保つことが命を守ることに繋がる。その災害時に口腔ケアで被災地に寄り添い、地域の健康を守りたい。歯科保健のエキスパートに密着した。歯科医師 中久木康一。