ホーム > ものづくり > 製品開発ストーリー 「磨き残し」への挑戦(Doクリアαハブラシ)

開発者たちのこだわり「磨き残し」への挑戦!「みがきやすく、美しく」

日々進化を続ける!「ハブラシの毛先」開発ストーリー

2015年8月、毎日の歯みがきタイムを楽しくし、家族のムシ歯予防をサポートする「Doクリア(ドゥークリア)」から、新たに「Doクリアα(アルファー)ハブラシ」 が商品化された。このハブラシは、「磨き残しをなくしたい」「使いやすく美しいフォルムを追求したい」という開発者たちのこだわりが満載の自信作だ。オーラルケア事業部で商品開発を担当した坪田、森、山根、の3名に商品化の狙いと設計の工夫について聞いた。

歯みがきで「磨き残し」をなくす大切さと難しさを軸に商品を企画

オーラルケア事業部
マーケティング部
マネージャー
坪田 渉
(Doクリア ハブラシの商品企画・販売戦略を担当)

   ムシ歯や歯周病を防ぐには、歯みがきでプラーク(歯垢)や食べカスを取り除くことが大事です。プラークは、多種多様な細菌などが集まって塊となったもので、その中には、歯周病やムシ歯のもとになる細菌も多く含まれています。プラークをそのままにしておくと数日で石灰化が始まり、やがて歯石となり、ハブラシでは取り除けなくなります。しかも歯石の表面には無数に微細な穴があいていてプラークがつきやすく、細菌類のすみかとなります。一方、食べカスは細菌の栄養源であり、プラークや食べカスを放置することは、細菌の増殖、その結果としてのプラークの増加、歯石の発生・拡大を助けることになります。
   私たちは、毎日歯みがきをして、プラークや食べカスを取り除いているのですが、残念なことに私たちの口の中にはプラークを取り除きにくい「磨き残し」要注意ゾーンが存在します。「磨き残し」要注意ゾーンは、歯と歯の間、歯の裏、奥歯といった、ハブラシの毛先が届きにくく清掃しにくいところです。歯と歯の間は毛先が届きにくく、歯の裏は弧を描いておりハブラシの毛先が沿いにくく、奥歯には噛み合わせ面にくぼみがあり毛先が入りにくいため、歯みがきの際には意識してみがく必要があります。
   しかし、毎日意識して歯みがきが出来ているでしょうか。忙しく慌ただしいとき、疲れているとき、ほかの事に気を取られて注意が散漫になっているときなどには、歯みがきへの注意深さが薄れがちで「磨き残し」が生じやすくなります。みがき残したところにはプラークや食べカスが蓄積し、歯石ができやすく、ムシ歯や歯周病のもとになる細菌類の温床をつくることにつながります。
   そこで、「磨き残し」を意識した歯みがきが出来ない日々が続いても、ムシ歯や歯周病対策のお手伝いができるよう、「磨き残し」要注意ゾーンの、歯のくぼみ、歯と歯の間に毛先が入り込みやすく、歯の裏や曲面に毛先がフィットする工夫を施すことで、プラークや食べカスをかき出しやすいハブラシの商品化を進めました。

「磨き残し」攻略に向けて開発した「ナナメ密集植毛」&「波形カット」

オーラルケア事業部
研究開発部
商品開発グループ長
森 豊一
(Doクリアハブラシの設計開発リーダー)

   「磨き残し」要注意ゾーンへ毛先を届かせる工夫として私たちが挑戦したのが「ナナメ密集植毛」と「波形カット」を組み合わせた新しいハブラシです。

   一般的なハブラシの毛はハブラシのヘッドから垂直に立っています。これに対して「ナナメ密集植毛」では毛を根元から毛先に向かって傾け、4つ(または3つ)の毛の束を毛先に向かって1点に集め、四角錐(または三角錐)の形をつくるように植毛します。これにより、歯と歯の間、奥歯のくぼみなどに毛先を入り込みやすくしています。今回の新商品では、ハブラシの先端、中央、後端にナナメ密集植毛部を5箇所つくりました。

サンスターでは、これまでも、二列の毛を内側に傾斜させた屋根型の植毛方法を開発、商品化しています。この場合、毛先は1本の線上に集中します。今回は、この技術を更に発展させ、毛先が1点に集中するように進化させたもので、毛先が、歯と歯の間や奥歯のくぼみにより入り込みやすい構造をつくることができました。

   さらに、「ナナメ密集植毛」に毛先の長さ自体に変化をつけた「波形カット」を組み合わせ、「磨き残し」要注意ゾーンへのフィットを目指しました。
   「波形カット」は、波形の頂点の高さが高すぎるとハグキへの当たりが強くブラッシング感が悪くなり、低すぎると「磨き残し」要注意ゾーンへのフィット感が悪くなるため、機能と使用感がバランスよく両立する高さになるまで試行錯誤を行いました。
   この2つの組合せによって、毛先が歯と歯の間や奥歯のくぼみ、歯の裏に自然と入り込んでいきやすくなり、「磨き残し」要注意ゾーンのプラークや食べカスをかき出しやすいハブラシが完成しました。

   ハブラシを小刻みに往復させながら歯に沿って移動させる試験ロボットと歯型の模型を使ってブラッシング実験を行い、「歯と歯の間」「歯の裏側」「奥歯のくぼみ」におけるプラーク除去率を従来の当社のハブラシと比較すると、ある一定の条件下においては全ての箇所で、今回の新製品「Doクリアαハブラシ」のプラーク除去率が高く、効果的なプラーク除去ができるという結果が出ました。

   また、100人を対象とした使用感調査で93%が「奥歯の奥がみがきやすい」という回答結果を得ることが出来ました。(サンスター調べ)

   サンスター独自開発の「ナナメ密集植毛」は従来にない形状であるため、製造方法にも新規の工夫が必要でした。これに、微妙な高低差をつけた「波形カット」を組み合わせて製造することは容易ではありませんでした。そのため、徳島の工場に何度も通って試作を重ねましたが、製造現場のエンジニアの皆さんの、これまでの傾斜植毛の製造実績や技術ノウハウのおかげで、多くの課題を解決していくことができ、やっと量産OKのゴーサインを貰うことができました。

使いやすさと美しさの両立を追求したハンドルデザイン

オーラルケア事業部
研究開発部
商品開発グループ
研究員
山根 麻姫子
(Doクリアハブラシの設計開発を担当)

   ハブラシは、お口の中の左右、上下、歯の表裏といろいろな箇所をみがくので、ハンドル部分の握りやすさや持ち替えやすさといった使いやすさも商品作りの大きなポイントになります。Doクリア(ドゥークリア)は、これまでも人間工学に基づいたハンドル形状の設計を特徴として開発を行ってきましたが、今回は、従来よりも多くの試作品をつくり、多くの社員の方々に実際に使用感を確認してもらい、その結果をフィードバックすることで、個人個人異なる様々な持ち方に対応できる形状を目指しました。また、毎日使っていただくものなので、外観の美しさとの両立にもこだわりました。

   ハンドル部の基本的な材料構成は、ベースとなるプラスチックにクリアで上質感のある透明樹脂を使い、これに、滑り止めのためのカラフルなラバー素材を重ねるという点で、従来と同じ構成ですが、ハンドル全体の立体形状と、ラバー素材の配置を変えることで使いやすさと美しさを進化させるのがポイントでした。

   まず、いくつかの設計上の制約条件の下で作成された約50枚のデザイン画の中から、ラバー素材の滑り止め効果や、全体のフォルム、ラバー素材でつくる造形美を評価してでデザインを数案に絞り込み、三次元造型機でいくつかの試作ハンドルを作製しました。この試作ハンドルで約50人の社員に様々な持ち方を試してもらい、厚み・太さ・丸み・指の当たりといった感覚について、使用感が悪いと評価した項目に関してその理由をしつこく聞いて回り、改善策を検討しました。協力してくれた社員と次に顔を合わせると逃げてしまうほど、熱心にやりました。そうした皆さんの協力のおかげで、ハブラシを持ったときに指先が当たる部分は、ハブラシの向きをコントロールしやすいよう断面が長方形となる形状とし、それ以外の部分は丸みを持たせつつ、表面に微妙な凹凸を施して触感を良くするなど、細かい工夫を重ねた、こだわりのハンドル形状が出来ました。

   ラバー素材と透明素材の組み合わせでつくる造形美のデザインについても議論を尽くしました。まず、新規性と機能性を表現するためのすっきりとしたスマートなラインのものを提案したところ従来のユーザーの不評を買い、従来のかわいらしいデザインの発展形を提案しては代わり映えがしないと却下され、最後に、今回採用されたデザイン案を含めた新たなデザイン6案を提案し、「新しさを感じる点」「好ましい点」「修正してほしい点」などについて、デザイン画と試作品を使用して、のべ120人に聞き取りを実施し、修正を重ね、到達したのが今回のデザインです。

   このように使いやすさと美しさを重視した細部にこだわりのあるデザインにした結果、非常に製造しにくい形状となり、工場の方々へはかなり無理をお願いしてしまいましたが、エンジニアの皆さんのアイデアとノウハウのおかげで商品化に至りました。



「磨き残しをなくしたい」「使いやすく美しいフォルムを追求したい」という企画担当者、デザイナー、設計者、製造エンジニアの皆のこだわりとアイデアが沢山詰まった「Doクリアαハブラシ」、ぜひ手にとってお試し下さい!!

Doブランドサイトへ
http://www.doclear.jp/

新製品発表プレスリリースへ
http://jp.sunstar.com/company/press/2015/0817.html