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トピックス 災害時におけるオーラルケア

防災にオーラルケアを! 「災害時におけるオーラルケアの重要性を伝える取り組み」マーケティングサービス部メディア室 平山 剣 ミカエル(左) 金沢 貞弘(右)

口の健康は、身体の健康にも大きな影響を及ぼす。その影響の一つとして、「災害時におけるオーラルケア」について、重要性を多くの方に知っていただくべく、サンスターではさまざまな取り組みを行っています。

災害時のオーラルケアが欠かせない理由

―災害時におけるオーラルケアに関する問題―

 災害がおこると、多くの場合、水が不足しがちになり、どうしてもハミガキなど水を使うオーラルケアがおろそかになってしまいます。
 一般成人のうち約8割が歯周病を患っているといわれているますが、その原因となる歯周病菌はたった一晩歯みがきを怠っただけでもどんどん増殖してしまいます。これによって、歯周病を発症するだけでなく、例えば、不衛生な状態で食べ物や唾液を誤って気管に飲み込んでしまうと、細菌が肺に入り、肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こす可能性もあります。特に体力が弱っている方や高齢の方は注意が必要で、重症化すれば命を落とすことにもなりかねません。先の阪神淡路大震災でも200名以上の方が肺炎でお亡くなりになられたとのことですが、多くの方がこの誤嚥性肺炎が原因とも言われています。
 つまり、災害時のオーラルケアは、口臭などのエチケット的な問題だけでなく、命を守るためにも欠かせないものとなります。

東日本大震災で得られた教訓を今後につなげる

―東日本大震災、熊本地震での活動―

 現地で何が必要なのか、どのような問題が起きているのかを把握するために実際に被災地を訪れ話を聞くと、歯みがきは2日に1回、3日に1回という方が多く、オーラルケアが十分に行われていない現状が見えてきました。
 ハブラシなどの物資は十分に行き渡っているものの、口に含んでよい水には限りがあり、水場も遠くおっくうであるといった理由に加え、歯みがきをしなくてもムシ歯になるくらいだろうという認識が原因となっていることがうかがえました。
  そこで、水がなくても使用できる液体ハミガキを支援物資として提供し、日本歯科医師会様や社員を始めとする関係者が、各避難所に直接お届けしました。同時にオーラルケアの重要性や水が少ない時のオーラルケアの方法を説明して回り、歯みがきを促すポスターを貼らせていただくなどの啓発活動を行いました。  また、多くの方に情報を伝えることが急務と考え、震災後も新聞を発行し続けていた河北新報にご協力いただき、新聞に避難生活時のオーラルケアの方法を示した記事を掲載しました。
 物資は届いていても、ご高齢の方は液体ハミガキになじみがなく、使用方法が分からず使えなかったということがあり、物資を届けるだけでなく、今後は使い方の情報も広く発信していくことの重要さが分かりました。
 また、被災地の歯科の先生方は、検視や治療で手一杯で、予防まで手が回っていないという状況も見え、今後も災害時には、われわれが啓発や予防の部分でサポートしていけたらと考えております。

防災にオーラルケアを!

―被災地だけではない、防災にオーラルケアを!―

 災害後の誤嚥性肺炎による被害を減らしたい。その思いを胸に、被災地だけでなく、全国のみなさまに災害時のオーラルケアの大切さを知っていただくための活動を開始しました。
 まずは、誤嚥性肺炎のこと、災害時のオーラルケア方法、ハミガキを項目に含めた防災品チェックリストなどを掲載したパンフレットを作り、イベントや店頭などで配布を行いました。それから販売店の方にもご協力いただき、サンスターの商品の景品として「オーラルケア用非常持出袋」を付ける取り組みも行いました。袋を広げるとちょうど液体ハミガキとハブラシが数本入るサイズになっており、裏面には液体ハミガキの使い方など災害時のオーラルケアに役立つ情報を記載しました。販売店の方からお客様からの反応がよかったと聞き、今後の継続も検討しています。
 日本歯科医師会様を通して全国6万5000軒の歯科医院さんに弊社で制作した防災ポスターをご掲示いただけないかというお願いもさせていただきました。歯科医院を訪れる患者さんの目に入り、意識を高めるきっかけになればと考えています。

活動の輪を広げるために

―今後も継続的な取組を―

 災害が発生してから時間が経つにつれて、だんだんと防災についての意識が薄れていってしまうものです。3の倍数月が防災用品点検の日といわれていますので、そういったタイミングで、絶えず防災について意識していただくための取り組みを続けています。動画・ムービー、ポスター、Webコンテンツなど、状況を見極めながら、どんな形が一番伝わりやすいか、その都度アイデアを出し合って、伝え方を考えていかなくてはならないと思います。継続することが”防災にオーラルケア”を広める手段だと考えております。ただ、私共だけでできることにも限界がありますので、今後は社外の方の力も借りて、活動の輪を広げていきたいと思います。