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製品開発ストーリー ガム・デンタルリンス “つぶせるボトル”

お客様の声に応えたい! ガム・デンタルリンス「つぶせるボトル」開発ストーリー

「ガム・デンタルリンス」大容量ボトル(960mL)は、 G・U・Mシリーズの主力商品の1つ。
発売当初から歯周病予防に着目し、液体ハミガキという新しい市場を牽引してきた。現在でも、より殺菌力を高めるなど時代のニーズに合わせて進化を続けている。

お客様の声から生まれた「環境にやさしいボトル」

お客様相談室には日々さまざまなお問い合わせやご意見が寄せられ、その声は関係各部署で共有化される。ガム・デンタルリンスに「使い終わった後、ゴミ箱に入れるとかさばる」「つぶそうとするがつぶれない」という声が寄せられていることをマーケティング部門では、長年気にかけていた。

一方、パッケージグループでは、環境負荷低減として3R(リユース・リデュース・リサイクル)活動の1つとして、リデュース、つまりボトルに使っている材料を減らす取り組みを進めていた。ボトルは、使っている材料を減らすことで肉厚が薄くなる。この薄くて軽いボトルの開発は過去から検討が行われていたが、なかなか実現にはいたらなかった。それはボトルが薄くなると中身の安定性、特に香味の安定性を保ちにくくなる。それらの課題をクリアすべく、ボトルに使用する材料など仕様を見直し、何度も試作とテストが繰り返された。そしてついに、薄くしても中身の安定性が保てる技術にたどり着いた。

情報は、すぐにマーケティング部門に共有された。これが、要望と技術がマッチした瞬間だった。

発売以来、大きく変わることのなかったガム・デンタルリンスのボトルリニューアルプロジェクトが始まった。

つぶせるボトルを作ろう

ゴミのかさを減らすためにはどうすればよいか。
当時、テレビコマーシャルでつぶせるペットボトルが注目を集めていた。
「そうだ、つぶせるようにすればいい。人の力でつぶせるまでボトルを薄くする!」

しかし、クリアしなければならない課題は山ほどあった。製品がお客様に届くまでの流通・保管に耐えうるボトルの強度。お客様に届いて、使用時のポンプ押し圧に耐えられる強度、使い終わるまでの長期間、中身の品質を守れる保護性。それらをクリアしながら、人の力でつぶせる薄さにする、というギリギリのラインが求められる。材料の配合を変え、何種類ものパターンが試された。試作品ができても、すぐに結果がわかるものではない。実際に中身を詰めて、品質に変化がないか、強度はあるか、1~2カ月かけてさまざまなテストを行っていく。開発には実に2年を要した。

ボトルの材料開発と平行して、ボトルのデザイン検討も進めていた。薄くするだけでなく、お客様が直感的につぶせることがわかるようにしたい。そこで、牛乳パックなどで馴染みがあり、つぶし方が直感的にわかるように、ボトルの側面に折り畳みやすくするY型の溝を入れた。

しかし、重要なのは、本当にお客様が使い終えたボトルを直感的につぶすことができるかどうかだ。マーケティング部門では、ガム・デンタルリンスの使用者を集め、調査を行った。何も説明をせずにボトルを渡し、「これをつぶしてください」と指示をしたときに、どのようにつぶすかという反応を見るテストである。足や膝を使った人もいたが、おおむね意図した通りにつぶしてもらえるということが実証された。

容量がおよそ1/4に

最大限変えて、変わっていないように見せる

今回のリニューアルでは、ボトルの形状にも少し変化を加えた。

ガム・デンタルリンス960mLは、発売当初からボトルの形状を変えていない。お客様はロゴが見えなくてもG・U・Mだとわかる感覚になっていることが予想された。そこで、できる限り従来の形状のイメージを残しつつ、先進的なデザインを目指した。丸みをつけたり、逆に角度をつけたりと何種類もの容器のパターンを考え、技術的面も考慮に入れつつデザインを絞り込んでいった。

大きな変化はもう1つある。ラベルだ。
従来は紙でできたシールが貼られていたが、これにもお客様から不満の声が寄せられていた。使用済みボトルのラベルをはがしたくても簡単にはがせない、うまく分別できない。また、浴室で使用するとラベルがボロボロになりやすく、カビが生えやすいとの声もあった。

そうした声に応えるために、ラベルにはボトルと同じプラスチック製のシュリンクを採用することにした。シュリンクとは、薄いプラスチック製のフィルムを熱で縮めてボトルに巻きつける技術である。これを導入すれば、分別の必要がなくなる。しかし、思いがけずこのシュリンクに苦戦した。シュリンクは材質や熱の加え方によって縮み方が異なるため、少しの条件の違いでグニャッとゆがんでしまう。ガム・デンタルリンスのボトルは直線が多いデザインのため、少しのゆがみでもとても目立ってしまう。

また、ボトルが薄いためシュリンクを縮める際の熱で変形をおこすという課題もあった。シュリンクの材質や熱を加える条件などを少しずつ変え、サンプルを作ってはマーケティング部門に持ち込む。何度も「こんなものはダメだ」と突き返されることを繰り返し、少しずつ改善がすすんでいった。

こうして、ガム・デンタルリンスは新しい一歩を踏み出した。

進化を続ける、ガム・デンタルリンス

2012年9月5日。新しいボトルのガム・デンタルリンス960mLが店頭に並んだ。

「今は、つぶせて当たり前の時代。そこに驚きはないかもしれませんが、以前のような不満やつぶしにくいといった声は来ていませんので、とりあえずは安心しているところです。今後は、他の製品にもつぶせるボトルを展開していきたいと考えています」と西村。

オーラルケア事業部
オーラルケミカルグループ
マーケティング担当
西村 誠人

「発売当初から業界の先頭を走ってきた製品ですから、われわれから変えていかなければという思いがありました。今回、それが実現できたことが本当によかった。私たちの部門だけでなく、社内の関連部署の協力があってこそできた成果です」と中島は語る。

オーラルケア事業部
オーラルケミカルグループ
マーケティングマネージャー
中島 和彦

「これからも環境にやさしいだけではなく、さらにお客様に価値を与えられるような容器を開発していきたい」と鵜尾。

生産開発部
パッケージグループ長
鵜尾一行

最後に中島は、今後の展望を熱く語った。
「今回は使用後に焦点を当てましたが、キャップに入れて使うタイプであれば、その注ぎやすさなど、今後はバリアフリーのことを考えた製品を作っていきたいと考えています。バリアフリーを考えることで、自然とすべての人が使いやすい製品になる。例えば利き手を骨折してしまったとき、使いにくいものは世の中にたくさんあります。うまく体が動かなくなったときに専用のものを作るのではなくて、そういうときでも負荷なく使っていただけるように、今回のガム・デンタルリンスに限らずサンスターの製品全般で少しずつ配慮していくというのが必要なのかなと考えています。環境の負荷だけでなく、体に対する負荷を減らしていきたいですね」。
今後も彼らの挑戦は続いていく