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文化の発展のために

第69回日書展 サンスター国際賞を授与

第69回日書展写真

サンスターは日本の書道界で最も権威のある日本書道美術院が主催する「日書展(にっしょてん)」へ“サンスター国際賞”を授与しており、本年の受賞作品が発表されました。
この賞は「文字の文化である書」を国際的な価値として高める目的で1968年に設立されたもので、2009年からサンスターが支援しています。
日本書道美術院には漢字部、かな部、新書芸部、篆刻(てんこく)部の4部門があり、国際賞の対象者は各部門第一科の審査員書家となっています。
2015年1月4日(日)に第69回日書展の選考会が行われ、7回目となる「サンスター国際賞」が選考され、漢字部の木島永竣(キジマエイシュン)さんが受賞されました。
作品は、「中国の歐陽脩(オウヨウシュウ)の漢詩「豊楽亭遊春(ホウラクテイユウシュン)」一首と三首を題材にした大作です。

緑樹交加山鳥啼  緑樹に交加し 山鳥啼く
晴風蕩漾落花飛  晴風蕩漾(とうよう)として 落花飛ぶ
鳥歌花舞太守酔  鳥歌い花舞いて 太守酔う  
明日酒醒春已帰  明日 酒醒むれば 春 已(すで)に帰らん
紅樹青山日欲斜  紅樹 青山 日は斜めならんと欲し
長郊草色綠無涯  長郊の草色 緑は涯無し
遊人不管春將老  遊人 管せず 春将に老いんとし
來往亭前踏落花  亭前に来往して 落花を踏む

交加=二つのことが同時にやってくる。 蕩漾=水の漂い揺らぐように、たゆとうさま。
太守=州の監督者、欧陽脩は、当時、中央から左遷されていたと言われている。
不管=かまわない。無論に同じく、どのような条件でも、結果は同じことを表わす。
欧陽脩は、北宋朝廷の政治家、詩人、歴史学者

サンスター国際賞受賞 木島永竣先生インタビュー

今回の題材に歐陽脩の豊楽亭遊春(ホウラクテイユウシュン)を選ばれたのはどのような理由でしょうか?

自然の情景が美しく表現された漢詩。小鳥のさえずりや草木や花の春の色彩も緑、紅、青と目に浮かんできます。しかし、このような美しい詩の中に歐陽脩の鬱とした心が読み取れるようで、単に綺麗なだけではない奥深さが魅力ある詩だと思いました。

作品はどのように進められるのですか?

まず、作品にする詩は、内容がそのときの自分の気持ちにできるだけ響いたものを選ぶようにしています。
私は漢字の作品を書いていますが、まず書体(草書が多いですが)・縦か横作品かで幾つか草稿をつくり練っていきます。時々甲骨文字(中国最古の漢字)で作品を書く場合は、形を自由に表現できることを楽しんで書いています。

作品を書かれた際に苦心した点などはありますか?

苦労するといえば、こんな感じの作品にしようとはじめに浮かんだイメージから抜け出せないということでしょうか。思い込み過ぎず、しなやかでありたいと思うのですが、発想の転換がなかなか難しいですね。マンネリ化してしまう…。それでも、もう少し何とかならないかと締め切りギリギリまで粘って書いているようなタイプです。今回もそうでした(笑)

今回の作品を表現される上で留意されたポイントはありますか?

今年は同時期に東京都美術館主催の展覧会に甲骨文字と横の作品を書いていましたので、日書展では縦の作品を書きたいと思い、縦の流れが出るように心掛けました。私の書は平板になりがちなので、メリハリやタッチ(筆のあたり具合のこと)に留意しながら、全体的にスッキリとした印象に仕上がるように心掛けました。

木島先生が書道をはじめられたきっかけは?

小学生の頃のお習字がきっかけですね。母が好きだった習い事も戦争の時代でしたから、自分にできなかったことを娘にさせたかったのでしょう。書道だけでなく、絵画やピアノ、そろばん…何でもさせたいと(笑)。それで最後に残ったのが書道でした。

木島先生にとっての書の魅力とは?

一生続けられるもの。どんなものでも同じだと思うのですが、書も本当にたくさん勉強することがあって、一生取り組んでいけること。とても難しくなかなか満足できるものは書けない。ああでもない、こうでもないと一生試行錯誤しながら(またそこが楽しいのですが)書いていくことが、私にとって魅力なのかもしれません。

最後に今後の抱負をお聞かせください。

サンスター国際賞をいただき、この賞に恥じないよう、少しでも良い作品が書けるように勉強していきたいと思います。基本をきちんと踏まえ、骨格のしっかりとした字、その上で自由奔放に作品が書けたらいいのですが、一生勉強です。