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新規ペプチドLRAを含む酵素処理米ぬかに血圧降下作用
高血圧予備軍へのヒト臨床試験で有意に血圧低下
〜国際科学雑誌 Nutrients他にサンスター研究成果が論文掲載〜

2019年7月5日
サンスターグループ

サンスターグループ(以下サンスター)は、玄米の胚芽と表皮にあたる「米ぬか」のタンパク質を酵素で分解して得られた酵素処理米ぬかが血圧降下作用を持つことをヒト臨床試験で明らかにしました。さらに、酵素処理米ぬかに含まれる新規ペプチド*1「LRA(ロイシルアラギニルアラニン)」*2 が主に血圧降下に作用し、血管内皮で一酸化窒素産生を促すことで血圧を降下させるメカニズムを細胞実験で明らかにしました。

このうち、ヒト臨床試験は、45歳以上65歳未満かつBMI30未満の高血圧予備軍 (収縮期血130-139mmHgまたは/かつ 拡張期血圧85-89 mmHg)またはⅠ度高血圧(収縮期血圧 140-159 mmHg または/かつ 90-99 mmHg)の成人男女87名に対して行われ、酵素処理米ぬか配合の錠剤を12週間毎日摂取したグループは、酵素処理米ぬか無配合錠剤を同様に摂取したグループと比べ有意に収縮期血圧が降下したという実験結果が得られ、2019年3月28日発行の国際科学雑誌Nutrientsに福原医院、株式会社新薬リサーチセンターとの共著論文にて掲載されました。*3

また、LRAが血管内皮の一酸化窒素合成酵素(eNOS)を活性化させて一酸化窒素産生を促すことで血管平滑筋を弛緩させ血圧低下作用を発揮していることを示す血管内皮細胞のモデル細胞での実験結果については、2019年1月4日発行の米国化学会Journal of Agricultural Food Chemistry に京都大学 大日向耕作 准教授との共著論文にて掲載されました。*4

サンスターは今後、これらの成果をもとに研究開発を進め、LRAの血圧降下作用を活かした健康食品の製品化を目指します。



研究の目的

古来より日本人は玄米を常食してきましたが、現代では多くの人が玄米の胚芽と表皮にあたる米ぬかを取り除いた精米を食べています。取り除かれた米ぬかは、タンパク質やミネラルなど多種の栄養素を豊富に含むものの食品素材として十分に活用されていません。一方、高血圧は自覚症状の無いまま脳卒中や心筋梗塞など死に直結する病気の原因となることから「サイレントキラー」と呼ばれています。高血圧症患者は日本に4300万人、予備軍も含めると総人口の約半分とも推定されており、その予防に効果的な食品素材の開発が期待され、近年では食品由来のタンパク質から生理活性を有するペプチドを生成し、高血圧や糖尿病など生活習慣病の予防を図る研究が活発になっています。サンスターは、これまで玄米および米ぬかの糖尿病患者の血管機能改善作用や糖代謝の改善についての研究を行い、健康食品への応用を進めてきました。そして、米ぬかの血管機能改善の機能性に着目し、米ぬかを酵素処理して得られる多種のペプチドを分析する中で、血圧降下作用をもつ新規ペプチド「LRA(ロイシルアラギニルアラニン)」を2017年に発見しました。今回はその効果をヒト臨床試験で確認すること、また血圧降下のメカニズムを解明することを目的に研究を進めました。


研究結果と考察、今後の研究について

米ぬかを酵素(サーモリシン)処理して得られた酵素処理米ぬかの血圧降下作用をヒト臨床試験で検証しました。対象者は高血圧予備軍39名(収縮期血圧:130-139 mmHg かつまたは 拡張期血圧: 85-89 mmHg)およびI度高血圧者48名(収縮期血圧: 140-159 mmHg かつまたは拡張期血圧: 90-99 mmHg)とし、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験*5を行いました。参加者が1日4粒の酵素処理米ぬか配合錠剤(1日あたり1 gの酵素処理米ぬかを摂取)または酵素処理米ぬか無配合のプラセボ錠剤を12週間摂取したところ、酵素処理米ぬか摂取群の12週目の収縮期血圧は、プラセボ群と比較して有意に低下しました(図1)。

さらに、高血圧予備軍のみの解析では、収縮期血圧が有意に低下し、収縮期血圧の平均値は130mmHg未満となりました(図2)。


  


また、血管内皮細胞のモデル細胞であるHUVECにおいて、酵素処理米ぬかの中の血圧降下関与成分であるLRAが、血管内皮局在型一酸化窒素産生酵素(eNOS)のリン酸化を促進する(=一酸化窒素産生を促進する)ことを明らかにしました(図3)。血圧降下メカニズムは、LRAが血管内皮で一酸化窒素産生を促進して血管平滑筋を弛緩させることによって生じたものと考えています。


高血圧予備軍の方はすぐに投薬治療が施されるわけではないものの、総死亡、冠動脈疾患、脳卒中のリスクが上昇することが知られており、生活習慣の改善によりI度高血圧へ移行しないようにするだけでなく、血管へのダメージを抑えるためにも血圧を低く保つことが重要です。今回の研究で、酵素処理米ぬかは高血圧予備軍の収縮期血圧を低下させることが期待できる結果となったことから、今後は、高血圧発症の予防、さらには健康寿命の延伸に貢献できるように、健康食品としての応用を念頭に研究開発を加速していきます。


<注釈>

※1)ペプチド = アミノ酸が複数連結したもの。アミノ酸が大規模に連結したものがタンパク質。

※2)新規ペプチドLRA = サンスターが血圧降下作用のある新規ペプチドとして発見したもので、ロイシン、アルギニン、アラニンの3種のアミノ酸が結合したトリペプチド(Leu-Arg-Ala、LRA)

※3)Ogawa, Y*., Shobako, N*., Fukuhara, I., Satoh, H., et al., (* equally contributed) Rice Bran Supplement Containing a Functional Substance, the Novel Peptide Leu-Arg-Ala, Has Anti-Hypertensive Effects: A Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Study. Nutrients 2019, 11(4), 726 https://doi.org/10.3390/nu11040726別ウインドウで開く

※4)Shobako, N., Ishikado, A., Ogawa, Y., Sono, Y., et al., Vasorelaxant and Antihypertensive Effects That Are Dependent on the Endothelial NO System Exhibited by Rice Bran-Derived Tripeptide. J. Agric. Food Chem. 2019, 67, 1437–1442. https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jafc.8b06341別ウインドウで開く

※5)プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験 = 薬効成分を含む治療群と含まない無治療群(プラセボ群)を比較する治験において、治験実施に関わる全ての人がどんな薬を投与するのか一切知らずに行われる方法。


サンスターグループとサンスターグループの健康食品事業について

サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、オーラルケア、健康食品、化粧品など消費者向けの製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・スイスSA(スイス)と、自動車や建築向けの接着剤・シーリング剤、オートバイや自動車向け金属加工部品などの産業向け製品・サービスをグローバルに統括するサンスター・シンガポールPte.Ltd.(シンガポール)を中核会社とする企業グループです。健康食品事業では、人が本来持っている健康になろうとするチカラ「自然治癒力」を高めることに着目し、腸内環境を整える玄米採食を中心に据えた「健康道場」シリーズの健康食品・飲料を主に日本国内で製造・販売するとともに、各製品や成分について、体にどう働き、どのような効果が期待できるのかを、国内外の大学、医療機関と連携して研究しています。

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