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2009年6月16日 静岡県立静岡がんセンター
(社)静岡県歯科医師会
サンスター株式会社
 
 
医療現場での臨床研究に基づく、患者向け口腔ケア製品を3者共同開発
~がん患者のQOLを向上するための口腔ケア製品~
 
   
   静岡県立静岡がんセンター(総長:山口建、以下静岡がんセンター)、静岡県歯科医師会(会長:飯嶋理)、サンスター株式会社(代表取締役社長:濱田和生、以下サンスター)は、2006年5月よりがん患者の口腔トラブルをサポートするため、3者の包括的共同研究協定(※1)を締結しておりますが、この度、がん治療に伴う口内炎や口腔乾燥などの口腔トラブル時にも使用できる口腔ケア製品*を開発いたしました。
 がん患者は、抗がん剤治療や口の周囲の放射線治療が開始されると、口腔粘膜が炎症状態になり、口腔内環境が急激に悪化し、口の中がヒリヒリする、粘つく感じがするなどの不快な症状を感じます。歯をみがくことにも刺激を感じることがあり、口腔ケアがおろそかになりがちでした。
 今回の口腔ケア製品は、このような不快症状のある場合に使用しても、粘膜への刺激がほとんどなく、がん治療中から治療後まで、口腔ケアを実施することが可能で、患者の口腔衛生環境を維持することができ、QOLを向上させることができます。
 この製品は、本来の健康的な口腔粘膜の状態が維持できるような「口腔粘膜の保湿」と「低刺激素材」を特徴とするケア製品ですので、がん治療の患者以外の口腔乾燥などの口腔内トラブルをもつ高齢者の方の口腔ケアにもご使用いただけます。
 
  * 医薬品ではありません。  
   
 
<開発の経緯>
●がん患者の口腔内症状の観察研究(2007年)

 静岡がんセンターでは、頭頚部がんの再建手術(主に欠損部にからだの一部を移植して充填を行う手術)前に専門的な口腔ケア(プラークの除去と粘膜面の清掃)を実施することで、術後の創部感染率が1/3程度に低下することを確認しており、口腔ケア介入の重要性を全国の医療者に啓発してきました。しかし、口腔内の細菌がどのような変化を起こしているのか、ミクロレベルでの介入効果を把握するには至っていませんでした。そこで、サンスターと共同で、口腔細菌の変化を観察したところ、専門的な口腔ケアを施した場合では、ケア直後の口腔内の総菌数が減少し、菌の構成バランスが感染しにくい質のよいものに改善されることが観察されました。手術後は、総菌数は増加し口腔ケア前のレベルに戻りますが、菌の構成バランスは改善されたままの状態を維持することが示され、このような口腔内細菌の量的かつ質的変化が、術後の創部感染の予防に寄与していることが示唆されました。

●口腔ケア製品の開発検討(2008年)
 専門的な口腔ケアによる正常細菌のバランスの維持が重要であることが示されたことから、口腔ケアに必要な手技について、改めて歯科医師、歯科衛生士と検討すると同時に、がん患者が、どのような特徴をもつ口腔ケア用品を求めているかを調査し、優先的に解決すべき項目を、①口の乾燥を和らげるもの、②口腔の粘膜に刺激がないもの、③口の中がさっぱりするもの、の3項目に絞りました。これに対応する製品として、口腔乾燥対応保湿剤、低刺激歯磨剤、超軟毛歯ブラシ、そして粘膜ケアのためのスポンジブラシからなる口腔ケアシリーズを開発しました。

<開発者のコメント>
・静岡がんセンター 歯科口腔外科 大田洋二郎
 これまでがん患者さんが、口内炎で粘膜が痛い、口が乾燥して粘つく、夜中に口がカラカラになって目が覚めてしまう、歯みがきが思うようにできないなどの症状を訴えて来られると、「ごめんなさい、水やうがい薬でうがいを何回もしてください」と説明する度に、患者さんが気持ちよく口腔ケアをしていただけるより良い口腔ケア製品があれば、と思うことがしばしばありました。
 この製品は、製品開発に携わる研究者達と、実際にがん患者さんの口腔内を観察し、そして患者さんの生の声を聞いて、ゼロから開発した製品です。

・サンスター株式会社 静岡研究所 江口徹
 実際にがん患者さんの口腔内の状態を見せていただくことで、本当に患者さんが必要としている口腔ケア製品のニーズを理解できたことが大変重要でした。優先順位の高いニーズは、口腔内の粘膜に刺激がなく、口の乾燥を和らげ、口の中がさっぱりすることの3点でした。今後も患者さんにとっての最適な口腔ケアに役だてる製品の開発に全力を挙げて取り組んでまいります。

【注】
※1 「3者の包括的共同研究協定」
本共同研究の対象期間は5年間。三者の共同研究の目的は、①県内の開業医と医療連携し、地域ぐるみでがん患者の口腔のトラブルをサポートするシステムの構築、②「ファルマバレープロジェクト(※2)」の推進に役立つ口腔ケア製品の開発ならびに地域住民への啓発活動への協力、③在宅診療や介護施設での口腔ケアに必要な用品の共同開発です。2006年のプロジェクト発足以来、静岡がんセンターと地域の歯科医が協力してあたる病診連携の一環として、ガイドラインづくりや歯科医向け教育セミナーの開催、一般向け啓発シンポジウム開催などを実施しています。

※2 「ファルマバレープロジェクト」
静岡県東部の富士山麓地域を舞台に、医療・健康関連産業の集積、振興を図るため静岡県が進めているプロジェクト。静岡がんセンター研究所を拠点とする医看工連携による共同研究をはじめ、創薬探索研究、治験ネットワーク等のプロジェクトが、中核的支援機関であるファルマバレーセンターの支援のもとに進められています。

【プロファイル】
静岡県立静岡がんセンター:2002年9月に開院、現在ベッド数569床(全床開棟時は615床を予定)のがん高度専門医療機関。陽子線治療施設や国内最大数の緩和ケア病室をもつなど、最先端の治療から心のケアまで全人的な治療を行っている。都道府県がん診療連携拠点病院、全国がん(成人病)センター協議会加盟、治験拠点病院、認定看護師教育機関。またファルマバレープロジェクト(富士山麓先端健康産業集積プロジェクト)の中核的施設に位置づけられており、2005年より企業や大学等との共同研究を開始。これまで40以上の企業・大学等との共同研究を行い、病院隣接の研究所内には16の「産学官・医看工連携研究室」が設置され、現在3企業・3大学から研究員が派遣され静岡がんセンターとの共同研究が行われている。
静岡県歯科医師会:日本歯科医師会傘下の都道府県歯科医師会。県内1730余名の会員を有し、8020運動-80歳になっても20本以上の歯を残して、生き生きと充実した生活をおくりましょう-を推進し、積極的な口腔衛生活動を行っている。
サンスター株式会社:サンスターグループの中核であり、マウス&ボディ、ヘルス&ビューティという2つの事業分野を通じて、常に「人々の健康の増進と生活文化の向上」に貢献する商品やサービスを提供している。
 
   
 
本件のお問い合わせ先
静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター 医療広報担当
〒411-8777 静岡県駿東郡長泉町下長窪1007番地
電話055-989-5222 FAX 055-989-5793
静岡県歯科医師会 広報部
〒422-8006 静岡県静岡市駿河区曲金3-3-10
電話054-283-2591 FAX 054-283-3590
サンスター株式会社 広報室
〒105-0014 東京都港区芝3-8-2 芝公園ファーストビル21階
電話03-5441-1423 FAX 03-5441-8778
 
   
 
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