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2006年5月22日 静岡県立静岡がんセンター
(社)静岡県歯科医師会
サンスター株式会社
 
   
 
がん患者向け口腔ケア分野で医科と歯科の医療連携を促進
〜がん治療による口腔合併症の軽減・予防に関する包括的共同研究協定を締結〜
 
   
   静岡県立静岡がんセンター(総長:山口建、以下静岡がんセンター)、静岡県歯科医師会(会長:飯嶋理)、サンスター株式会社(代表執行役会長:金田博夫、以下サンスター)は、がん治療に伴う口腔合併症の予防・軽減の方法を確立し、地域に普及させ、安全な手術を実践するための研究開発に関し、包括的な共同研究協定をこのほど締結し、この5月よりプロジェクトをスタートさせました。
 対象期間を5年間とし、がん患者の口腔トラブルをサポートする医療連携体制の確立、がん患者のための口腔ケア商品の開発や啓発活動、そしてがん患者の様々な口腔の問題に対処できる専門歯科医師の育成(レジデント制度)に取り組みます。三者は、この共同研究協定に基づき、地域から医科と歯科の連携を促進し、実施効果を見ながら将来的には全国に広げていく考えです。

 近年、がん治療はめざましい進歩を遂げ治療成績も向上しています。しかしながら、がん治療中、治療後の副作用、合併症に苦しむ患者が数多く存在します。これまでがん治療の合併症、副作用の中で口腔の問題は、ほとんど注目されてきませんでした。現在、抗がん剤治療(化学療法)、頭頸部領域の放射線治療、そして口腔領域の切除再建手術においては、40%〜100%の合併症が発症することがわかっています。特に抗がん剤による口内炎は全身感染症発症の一番のリスクといわれています。
 このような口腔のトラブルに対しては、医師、看護師が対応してきましたが、口腔という特性から専門的なケアが十分におこなえず、あまり積極的な介入はなされていません。しかも、日本におけるがん治療で、医科と歯科の垣根を越えて連携し、予防・軽減に取り組む施設は存在しませんでした。

 今回の共同研究では、静岡がんセンター内で行われている口腔ケアチーム医療を、県歯科医師会会員である県内開業医と医療連携し、地域ぐるみでがん患者の口腔のトラブルをサポートする医療連携システムの構築を第一目標とします。6月4日から静岡県東部地区の5カ所で医療連携講習会が開催され、受講者のみ静岡がんセンターの医療連携歯科医師として認定される予定です。
 第二の目標は、県が推進する医療関連産業「ファルマバレー・プロジェクト」の下、サンスターは静岡がんセンター研究所内に研究者を派遣し、本プロジェクトの推進に役立つ口腔ケア商品の開発ならびに地域住民の啓発活動への協力をおこなう予定です。
第三の目標は、県歯科医師会は、既に実践している在宅診療や介護施設での口腔ケアに必要な用品をサンスターと共同開発します。このように静岡がんセンター、県歯科医師会、サンスターの三者が有機的に連携し、日本におけるがん患者のための歯科医療連携を全国規模に発展させていく予定です。

 静岡がんセンターは2002年9月に開院し、従来の医師主導型の医療ではない多職種チーム医療を実践し、患者満足度も非常に高い施設として認知されています(日経メディカル調査2004年:患者満足度1位)。またファルマバレー・プロジェクトの中核的施設として位置づけられています。その中でがん患者の口腔合併症に対し口腔ケアチームを医師・歯科医師・看護師・その他医療従事者を形成し、術前から術後まで介入するシステムを導入しています。昨年、口腔ケア介入が頭頸部癌術後合併症軽減の可能性を示唆する研究報告も静岡がんセンターから発信されました(厚生労働省 がん研究助成金による研究班 班長 静岡県立静岡がんセンター 歯科口腔外科部長 大田洋二郎)。
 また国内のがん専門病院で初めて、医科と同等のカリキュラムで研修する歯科医師のレジデント制度(3年)を設立しました。がん患者の専門的な歯科治療をおこなえる歯科医師を養成しています。(現在6名在籍、修了者1名)

 静岡県歯科医師会は日本歯科医師会の傘下の歯科医師による公益法人であり、静岡県内1740余名の会員を有します。静岡県歯科医師会はこれまで、在宅歯科治療、有病者歯科医療、8020運動など積極的な口腔衛生活動をおこなってきました。しかし、がん治療を受けた患者は、病状がよくわからず、地域の病院歯科を受診するよう勧めることが少なくありませんでした。今回、医療連携をがんセンターとおこなうことで、患者の病状を把握した上で安全な歯科治療の実施が可能になります。国民の100万人が毎年がんに罹患し、30万人は、癌が原因で死亡する時代です。開業歯科医師が、口からおいしく食することをサポートするという、人間の生活の根源に関わることの重みを念頭において、日常診療に従事していくよい機会であると考えています。

 サンスター株式会社は、「口腔と全身:Mouth and Body」の概念に基づく、口腔衛生と全身疾患との関連性の解明とその普及のためにオーラルケア領域でユニークな事業を展開してきました。今回、静岡がんセンターとの連携により、がん患者特有の全身抵抗力の低下した状態における口腔内衛生環境が、全身に与えるメカニズムを研究・調査する最良のフィールドを得ることになります。このメカニズムの解明こそが、がん治療の口腔合併症の予防、軽減につながり、さらに癌以外の疾患である、高齢者、糖尿病、循環器疾患などの有病者の口腔ケア戦略を見いだす糸口になると考えます。今後、がんセンター研究所内に研究員を常勤させ、がん患者の口腔ケアプログラムの開発、啓発活動、口腔ケア商品の開発をより積極的におこないます。

 本年から三者は、がん患者の口腔合併症の軽減・予防方法の確立に向け包括的な共同研究を開始し、静岡がんセンターの持つ豊富な臨床経験と、県歯科医師会の地域に根ざした身近な歯科医療支援組織、サンスターが有するオーラルケア領域と全身の健康についての先進的研究といった、それぞれの特徴を生かした連携をさらに幅広い分野に発展させていきたいと考えています。

 
   
  三者によるがん患者歯科医療連携の流れ図は、以下のとおりです。
がん患者歯科医療連携の流れ
 
   
 
【プロファイル】
静岡県立静岡がんセンター :2002年9月、ベッド数557床のがん専門病院。陽子線治療施設や国内最大数の緩和ケア病室をもつなど、最先端の治療から心のケアまで全人的な治療を行っている。昨年11月には研究所が開設され、医看工分野での産学官連携の一環として東京工業大学等や富士フイルムメディカルなどとも共同研究がすすめられている。
ファルマバレー・プロジェクト :静岡県東部の富士山麓地域を舞台に、医療・健康関連産業の集積、振興を図るため静岡県が進めているプロジェクト。静岡がんセンター研究所を拠点とする医看工連携による共同研究をはじめ、創薬探索研究、治験ネットワーク等のプロジェクトが、中核的支援機関であるファルマバレーセンターの支援のもとに進められている。

静岡県歯科医師会 :(社)日本歯科医師会傘下の都道府県歯科医師会。現在の日本歯科医師会 大久保満男会長は静岡県歯科医師会出身。県内1740余名の会員で組織され、8020運動−80歳になっても20本以上の歯を残して、生き生きと充実した生活をおくりましょう−をユニークな方法で進めており、積極的な口腔衛生活動をおこなっている。

サンスター株式会社 :サンスターグループの中核であり、2005年3月期の連結売上高は639億円、従業員数1,500名。サンスターグループは、日本・北米・欧州・アジアの4極の法人とオフィスで事業を展開し、マウス&ボディ、ヘルス&ビューティ、ケミカル、モーターサイクルという4つの事業分野を通じて、世界約70カ国で商品やサービスを提供している。
 
   
 
<お問い合わせ先>
静岡県立静岡がんセンター マネジメントセンター
〒411-8777 静岡県駿東郡長泉町下長窪1007番地
電話 055(989)5222 FAX 055(989)5793
サンスター株式会社 広報室
〒105-0014 東京都港区芝3-8-2 芝公園ファーストビル21階
電話03-5441-1423 FAX03-5441-8778
 
   
 
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