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| 20代の様々なご経験を経て、今年はドイツのドレスデン国立歌劇場の舞台にも立たれた森さんですが、たくさんの公演のご準備はかなり大変なのではないでしょうか?普段は、どのような準備を、どれぐらいの期間なさるんですか? |
| 日本では長いときは全体を通して半年ぐらい稽古がありますし、アメリカでは通常1か月ぐらいの稽古の後、1か月間ぐらいの公演があります。準備にかかる時間は演目にもよって違いますが、特に言葉の多いものや、台詞があるものは本当に覚えられなくて、受験生状態です。今回ドレスデン国立歌劇場で歌ったリヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」はかつて無い程難しかったです。勉強してもなかなか体に入らず、最期の1ヶ月くらいはほとんど眠れない日々が続きました。 |
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| ヨーロッパではどうですか? |
| ヨーロッパの大劇場でその演目を良く繰り返している場合には、ほとんど練習がありません。ソフィアの国立劇場で「リゴレット」というシェイクスピアの超大作の物語を歌ったときは、説明が1日あって、全員で1回ざっと通して終わり。今回の「ばらの騎士」ではそのときちょうどリヒャルト・シュトラウスの全作品を行う特別な期間だったので、舞台での稽古も出来ませんでした。私は二幕からの登場でしたが、一幕が終わった幕間に初めて舞台を見て、そこで「はじめまして」とご挨拶する役の方もいらっしゃって、出入りや、ここでこういうふうに動くように、というようなことを、ぱぱっと説明されますが、あとは自己責任なんです(笑)。 |
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| 逆に言えば、それだけ見込まれてキャスティングされるということですよね。 |
| 私が緊張して歌えなくなったりしたらすべて終わりですし、今回はテレビの撮影もいらっしゃっていたので、本当に重圧だったのですが、無事に演じることができました。 |
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| 印象深かったことはありますか? |
| ドアを使って舞台から一回出て、またすぐに出て来て、お父さんと喧嘩をするというシーンがあり、すごく早口で、ただでさえ言うのが難しいのに、出入りをする必要があるわけです。しかもそのドアが重くて、さらに三幕のときのドアには取っ手がなかったんです。これは他の人に閉められてしまったら開けられなくなってしまう、と思って、ちょっと開けておいたりしました(笑)。 |
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| そういう現場では野生の勘と経験が必要ですね。 |
| そうですね、舞台に立つのが初めてでは絶対できなかったですね。立ち位置も決まっていないわけですから、他の方とのバランスを見て、主役を引き立てるように、うまくやるということも大事なことです。今回の「ばらの騎士」では、主人公の元帥夫人が歌っているのを殺さないように、美しく合わせるのですが、さらにその役の方が、3月と4月とで違う方でした。お二人とも世界中引っ張りだこの方ですから、ぎりぎりまで練習にはお見えになりません。ですから、当日本番の舞台でどういうふうに歌われるかを聴いて、それに合わせる必要があります。さらに、今回は事前のオケとの合わせもなかったので、プラス、オケにどうやって合わせるかというのも難しかったですね。 |
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| 歌い出すときには「こういう風に歌おう」というように、心は決まっているんですか? |
| いえ、そうでもないです。オケがすごく薄い場合や、自分一人の見せ場のところは考えてきたとおりに歌いますが、基本的には、来たものに一番良いように合わせようと思っています。アンサンブルのときは、「私が私が」と主張し始めるとバラバラになってしまうので、私はなるべく客観的に聞いて、美しい形に出来るよう最大限に努力します。 |
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