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| 最後の質問なんですけれど、人の美しさって何だと思いますか。 |
| 私はね、やっぱり、想像力だと思う。想像力のすごく働く豊かな人というのはきれいだと思う。スローフードって面白くてね、1回も病気したことがありませんっていう人より、やっぱりどこかで病気したり、大怪我したり、思わぬ不幸に遭った人のほうが、ピンとくるようなところがあってね。食べ物とか、命のこととか、自然のことって、それが意外と入口になるのよね。だけど美しい人って限りなく想像力を持っているというかね。イタリアで55ぐらいのおばちゃんとか、非常にやわらかい。想像力が生むしなやかさというのかな。仲良しの人がいるんだけど、見かけもさることながら、いくつになってもお洒落をちゃんとしようっていう感じがあるし、そのお洒落も、有名ブランドじゃなくて、自分のスタイルなんだよね。生活観も、土日は自分の暖炉で火を見ながらぼーっとするのが一番の時間だって言うの。そのときは友達を呼んで、近くの猟師から頼んだものでおいしい料理を作るとか。でも旦那もすごく料理が上手だから、今日は旦那とか、その辺もすごく柔軟だし。彼女がふと私に言ったのは、「この頃ね、私エロスが足りないの」って(笑)。日本語のエロスはどうも違うふうに解釈されてしまっていて、グラビアアイドル系のエロスになっちゃってるんだけど、たぶん彼女が言ったのは、ギリシャ哲学のエロスなんだよ。遠くのものに焦がれる思いとか、それによって自分の中に熱いものが込み上げてくる、そういう情熱みたいなもの。そういうことを、どこの馬の骨とも知れない年下のやつにぼそっと言う彼女も素敵だなと思ったし。 |
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| 素敵ですね。 |
| 逆に言うと、55になってもどこかで自分の中に、何か憧れるものとか、何か一生懸命になれるものを欲しているんだ、それはすごくかっこいいなと思ったんだ。彼女の美しさというのは想像力なのね。ほんの一言うちあけただけで、こっちが抱えている問題みたいなものをものすごくわかってくれる。あれはやっぱりいろんな人とたくさん接して、汲み取って来たことの賜物だと思うし、人をそういう温かい目でいつも見ているんだと思うんだよね。ああいう女になりたいと思った。それは年を重ねればいいというものではなくて、70、80になって、すごくきれいにお化粧して、いいブランド物着てても、想像力のない人ってつるんとしてる。やっぱり心のひだが深い人がいいよね。高度経済成長以後、この何十年か、日本の女性はどうしても、10代後半から20代前半ぐらいの生命力にはちきれんばかりの美しさにばかりとらわれているけど、スローフードのイタリア人の友達には、「ワインは寝かせてるほうがうまいだろ」って何度も言われ続けているの。しかもイタリアのグラビアとか、テレビの長寿番組の司会とか、みんなおばさんなのね。ベネチアのカーニバルとかも50代60代が主役なのよ。やっぱり文化もあって、美意識も非常に高くて、ある程度お金も使えるという世代は、もうこの世の春とばかりに若い子はべらせて(笑)、すごくいい衣装を着てるわけ。学生はお金がないから、ガーゼでペンギンになったりしてるわけ。そっちの方が自然な社会のあり方のような気がして。ああいう女性の美しさみたいなものを私の中では追求したいなあと思う。かっこいいよなと。 |
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| 本当ですね。かっこいい。私もそうありたいなあ。すごく楽しいお話をどうもありがとうございました。 |
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島村さんのお話はパワフルでとても面白くて、聞いているだけでたくさん元気をいただきました。
少しでもこの楽しさが伝わったでしょうか?島村さん、どうもありがとうございました。 |
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