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| それでは島村さんの典型的な1日の過ごし方を教えていただきたいんですが・・・ |
| ないんだよね、これが(笑)。日本にいるときは、チビに朝ごはんを食べさせて、学校に途中まで送っていきます。午前中できるだけ仕事をするようにして、夕方ぐらいになると集中力が切れるので、夕食の買い物に行ったり、チビが帰って来たら遊んで、チビが寝静まってからまた書く、かな。まあそれも3日に1回は、よだれ垂らして一緒に寝てるっていう状況になってますかね(笑)。 |
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| なるほど。 |
| あと、よく散歩するよ。考え事ができるしね。チビと散歩するのも、別の意味で楽しい。下のほうの視点から見て、ああだこうだ描写するでしょう。全然違うものを見ている生き物が横にいるというのが楽しいかな。あとは、喫茶店とかで「ちょっと息抜き」と称して、こっそり好きな本を読むのが無上の喜びというか(笑)。 |
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| イタリアでは食の取材を続けていらっしゃるんですか? |
| ライフワークの一つに聖人というテーマがあって、それも近々まとめようかなと思っています。聖人は面白いんですよ。「キリスト教は一神論ですから」とか、「日本は本来多神論で、アニミズムで」とか言うけど、イタリアもロシアもアニミズムで、根っこにあるのは八百万とは言わないけど、自然神なのよ。それをカトリックは強引に丸め込んでいるので、私に言わせれば、そこから溢れ出しているのが聖人なのね。例えばフランチェスコとか、サンロッコとか、みんな犬とか狼とセットじゃない。もともと犬は教会に入れないはずなのに、犬と話をしてしまうシャーマンを含み込んでるわけ。古代の農村信仰みたいなものを持っていたすごく人間臭いものを、聖人が組み込んでいるわけ。 |
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| 聖人の文化は、今も根付いているんですか? |
| すごく根付いている。それが地域主義なのよ。例えばパドヴァの人は、誰がなんと言おうが聖アントニオなわけ。彼が世界一なわけ。シエナは聖カテリーナみたいな。案外とシチリアのマフィアも信仰するのが、聖ロザリアっていう処女だったり。わりとヒナっとしたものを信仰していたりする(笑) |
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| ああ、そうなんですか。じゃあマリアさまだけじゃないんですね。 |
| ないの。その部分が日本人と逆に呼応し合う。イタリアも多様で、山あり、谷あり、島ありでしょう。イタリアは半島なので、日本のちょっとポワンとしているやわらかさはなくて、国境でいつも鍛えられているしたたかさがあるんだけど。 |
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| そういう、いろいろな文化や人との出会いが、お仕事をしていて楽しいことですか? |
| 楽しい楽しい。自分が決めつけちゃってることって案外たくさんあるけど、いつもそれを覆される。人間ってこっちが思ってるほどシンプルじゃないというのが面白いですね。 |
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| ああ、いいですねえ。 |
| それは逆に言うと自分自身にもはね返ってくるんですよ。国の制度がこうだし、おじさんたちは変わらないし、会社はこういう働かせ方するしって、どうしてもしょげ返ることはたくさんあるんだけど、それに縛られちゃうと自分で自分をますます不自由にしていく。自分の頭の中でいろんな制約を作ってることはたくさんあって、枠を思い切りはみ出すいろんな人に会うと、「あ、そうか。これもありか」と思えば、だんだん自分が自由になっていく。懐が広くなるからね。「あ、これもありだ」というふうに思えると、大概の人に会っても笑って済ませられるし(笑)。カチンと来たり、くよくよすることも少なくなるし、いろんな意味でプラスがあって面白いよね。 |
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