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様々な分野で生き生きと活躍されている女性たち。各分野のプロである彼女たちの目から見た、健康、ライフスタイル、キャリアについて、広報の女性スタッフがお話を伺うインタビューシリーズです。 >> インタビュー一覧
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Interview vol.4 女優、脚本家 真柴 あずきさん (前編)
脚本家という新たな視点
1993年に脚本を書き始めたきっかけというのは何だったのでしょうか。
プロデューサーの加藤のお友達で、出版社に勤めている方が短編小説を探していて、劇団で誰か書いてくれないかと言われたんです。それで加藤に声をかけられて、試しに書いてみたんですよ。結局それは日の目を見ていないんですけど、ちょうど成井と加藤が、新しい脚本家を探そうとしていたらしく、それを読んで脚本を書いてみないか、と言ってきたんです。
じゃあ、役者をされている間も文章を書きたかったんですね。
そう、小説家になりたくて。ただ、戯曲って特殊ですから、最初は「絶対絶対嫌です!」と(笑)言ったんですよ。でも、2時間ぐらいかけて2人に説得されて。「だって考えてごらん、無名の奴が小説書いたっていつ出版されるかわからないよ。賞を取れるとは限らないし、それよりもキャラメルボックスの戯曲家のあの人が小説を書いた、と言えば!」って(笑)。
(笑)なるほど。
「ほら、直木賞の第一歩だから」とか言われて、「そーお?」みたいな(笑)。「やってみてだめだったら、やめてもいいんだし」ということで、「絶対ですね?」と言って始めたのがきっかけです。
戯曲が嫌だったのは、やはり小説に興味があったから、ですか?
それもありますが、自分も同じ劇団の役者ですから、役者が脚本に対して好き勝手言うって知ってるわけですよ(笑)。この台詞は言いにくい!とか、何でここがこうなっちゃうの?とか。すごく嫌な批評家たちがすぐ間近にいるわけです。
よく知っている仲間たちが(笑)
そうなんですよ(笑)。しかも、その当時でもお客さんを1万人ぐらい動員していましたから、そんな人たちにお観せするものをいきなり書くというのは・・・やっぱりプレッシャーでした。
ご自分で書いた脚本に出演することはあるんですか?
『ヒトミ』の初演のときは脚本・役者を両方やったんですけど、私には無理だと思いましたね。まず、自分に対して役が書けないし、演技も進まない。半年ぐらい前に書いて、ちゃんと準備を重ねて、それから稽古に入って役者をやるのだったら、たぶん大丈夫だと思うんですけど。
役者の側から見るのと、脚本・演出の側から見るのは全く違う経験ですよね。
全然違いますね。役者をやっているときってすごく近視眼的になってしまう感じがあったんですけど、演出家というのは表から全体を見ますから、バランスを見るんですよね。それが自分にも返ってきて、下手な役者の欠点、たとえば集中が足りないとか、書いてある台詞と自分の気持ちが一致していないとか、相手役との息をうまく合わそうとしていないとか、そういうことがわかるようになりました。だから、自分も演出をやってから役者をやったときには、ちょっと変わったねとは言われましたね。
仕事で客観的に自分を見る機会は少ないですから、すごく面白い経験ですよね。
そうですね、ちょうど脚本を書き始めたときが、29歳で、30代に乗り変わるときだったんです。だから、がむしゃらにやってきたのが、いったんそこで止まることができたわけですよね。役者としても、全体の中での自分の位置や、どういうふうにお客さんに見えるんだろう?とか、ずっと力んでやっているだけじゃダメなんだということを考えられたので、それはすごく良かったなと思います。
脚本家として一番面白いことは何ですか。
自分で書いていて、面白いなと思えることは滅多にないんですけど・・・稽古場で役者たちが、私の書いた本をやって成長が見られたときというのは、すごく楽しいですね。やっぱり劇団なので、ベテランたちには今までにやったことがない役を、若い子たちにはその子が一番活きるような役を…というふうに思います。挑戦したり、ラブレターだったり、頑張れよという感じだったり。
なるほど。それぞれの役者さんの顔を思い浮かべて役を描いていき、ストーリーがあって、さらに経験や想いが込められていく。
そうですね。全部経験したことではもちろんないですけど、やはり実感が伴わないと筆が乗らないので。ずっと劇団でやってきたせいか、役者さんを思い浮かべて当て書きするほうが書きやすいですよね。
キャラクターや人間関係の相関図を設定してからお話を考えていくんですか?
はい、そうです。舞台の場合は、最初に成井と2人でじっくり話し合って、キャラクターや大雑把なストーリーの骨組みを考えて、そこからまず第一稿を私が書くという流れです。だから、一応ラストは決まってはいますけど、最後の最後の終わり方というのは流れによりますね。たとえば誰かの台詞だったり、雪を降らせたり…そこまでは最初からは決めないで書きます。
脚本はだいたいどれぐらいの期間で書かれるんですか。
舞台ですと、話し合いが長いときで半年ぐらい。そのあと、「ハコ作り」、物語の流れやキャラクターの流れというような骨組みを、1ヶ月ぐらいかけて割とみっちり考えて、次の1ヶ月で書きます。
真柴さんが脚本に関わってから、変わった点はありますか?
私が初めて脚本作りに参加したときに、派手なストーリー展開で見せるのではなくて、登場人物たちの繊細な心理にこだわって、女性らしい感性を活かしていこう、というのはありました。それで、「アコースティック・シアター」というキャッチコピーをつけたりもしたんです。
今もその女性らしい感性というのは意識されているんですか?
どうなんでしょうね(笑)。一人の人間の中に男性的な部分と女性的な部分と、あるじゃないですか。私自身はどっちかって言うと男性的な部分のほうが多いのかなと思ったりするんですが、成井が時々、「うわ、女性はこんなことを考えているんだ。僕には書けないな」って言うことはあるんですよ。でも、そう言われる台詞は、本当になんでもない台詞なので、何でこれでこんなに感心されるんだろう?って。だから、私にもよくわからないんですよ。でも確かに私が書くと、男性の役は理想的と言うか、ややヒーローチックになっているかもしれないです。
男性と女性の作家が一緒になって書くという共作の面白さですね。
そうですね。私はダイナミックなストーリーを構成するより、会話のほうが得意かもしれません。物語の骨組みは2人で話し合いつつ、まとめていくのは成井で、細かいところは私、というふうな役割分担はあります。
なるほど。13年間書かれてくる中で、変化や転機はありましたか。
そうですね…。最初は身近な題材を書いていたんですけれども、初めて時代劇、幕末劇に挑戦をしたとき、ものすごい量の資料にあたったり、取材もしたんです。たぶん今までの人生の中で一番勉強したと思うんですけれど。そういう風にいろんな昔のことを知ったり、人に会いに行くということは面白かったし、刺激になりましたね。あとは、劇団以外のドラマなどのお仕事で全く違う考え方を持つプロデューサーさんや監督さんと打ち合わせをして、本当にいろいろな見方があるんだなぁ…って思いました。そういうとき、自分の弱点を改めて実感することもありますね。
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