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様々な分野で生き生きと活躍されている女性たち。各分野のプロである彼女たちの目から見た、健康、ライフスタイル、キャリアについて、広報の女性スタッフがお話を伺うインタビューシリーズです。 >> インタビュー一覧
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Interview vol.3 エッセイスト 岸本 葉子さん (前編)
色々な旅から学ぶこと
旅先ではどういうところが目に入りますか?
旅に行くと、自分の目や耳から入ってくるものは変わるけれども、自分の視点ってそれほど変わるわけじゃないんですよね。端的な例が、「ここではないどこかに行こう」と思っていた25歳での中国なんですけれども、その時は会社も辞めましたし、人生の大イベントとして行ったんですね。でも、実際に行って自分が見てることっていうと、日常的なことなんですよね。例えば、あっちでは麺類ではあんまりスープが入ってなかったけどこっちは割とスープが豊富だなとか、やっぱり中国では南に来ると生産物が豊かなのか麺類に具が多いな、とかね(笑)。
(笑)なるほど。日本にいるときに興味を持つことが旅先でも気になっているんですね。
むしろ、何に興味を持つのかってことが、自分の特徴としてよくわかるような気がします。ああ私ってここに来てまでこういうことを見る人間なんだ、って(笑)。一方で視野は広がってるんだろうとは思うんですね。例えば、私の行った20年前の中国だと、まだサービス業っていう観念がないので、店員さんが神様なんです。お客様じゃなくて。おつりももう投げて返すみたいな。
へぇ。
そういうときに、それに腹を立てるとか文句を言うっていうよりも、唖然として、ああここでは全然逆なんだ、っていうふうに思う。それは一種の順応性なんですけれども、そういうときに、店員さんのことをつい観察する視点っていうのは、日本にいた時と変わらない。受け入れっていう意味では幅は広がっていくんですけれども、見ている自分はあまりブレないっていうような気がして。その両方のバランスが旅って面白いなと思うんです。
知識が増えるっていうこととはまた違いますもんね。
これほど情報化の世の中だから、行かなくても知識は得られるんですけれども、実際に行った感じってまた違いますよね。例えば、最近行ったポルトガルでは、事前に大航海時代の歴史とかを勉強していったんですよ。でも、実際にそこの海に立つと、本当に他のヨーロッパの国と違うんだな、とわかります。「まったく海しかないからこそ『この先に何かあるんじゃないか』っていう気持ちがそそられるのかな?」とか、「でも、スペイン人と違ってそれほど情熱的でなく、どちらかというと従順な人たちが、どうしてこの荒海に乗り出していこうと思ったんだろう?」とか。文字から得た知識とは違う、書かれていないことを自分の頭で考えるようになりますね、旅って。
30代、40代になってその旅の仕方や見方が変わったことはありますか?
20代の時は本当に一人旅が好きで、一人でこそアンテナが全部開くんだみたいな気持ちがあったし、移動っていうことにすごく価値を見い出してて、旅から何か得なきゃっていう気持ちがすごくありました。ちょっと理数系っぽく言うと、「アンテナで感じる度合い×移動距離」みたいな気持ちがあったんですね。だから、中国国内を船中泊を何泊もして、地図で行った跡を記すみたいな旅をしてたんですよね。でも、よく考えてみると、一人の時って、女性のせいもあってアンテナの6割ぐらいが安全確保にいってたりもするんですよ(笑)。
ああ、それって疲れますよね。
疲れる。で、「あ、この建物の意匠が素敵だな」って思っても、じっと見とれてるとお財布をスラれるかしらみたいな(笑)。でも、仕事で行くと、あらかじめアポイントを取っているので、一人で無礼に話しかけるよりも色々な話を聞けるので、きちんと手配をして人を伴うような旅行もいいなぁって思い始めたんです。
ああ、なるほど、なるほど。
でも、結局、地に足を着けた生活をしたいな、自分でどんな小さい仕事でもいいから、仕事をして報酬をいただいて、それで食材を買って自分でご飯を作るみたいな生活をしたいなってすごく思ったんですね。私はずーっと旅に生きる人じゃないなっていうのもすごく痛感しました。
じゃあ帰国して新しい生活を始めたことで、また一歩踏み出せた実感がありましたか?
そうですね。普通に働いて、寝て起きて食べて、みたいな暮らしがあって、そのうえでの旅行みたいな感じに変わりました。
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