HIV(エイズウイルス)とともに生きる女性たちによるエッセイ集。
「願い」 / 里衣子
人間にとって夢や希望がない事ほど悲惨で救われない事ってあるでしょうか?
夢や希望は、未来そのもの。
それらを胸に抱く事ができないというのは、未来を描けない事に等しいと思う。
生まれた国の情勢、家庭環境、もって生まれた素質・・・
世界中どこを見ても、みんなそれぞれ違いはあるけど、どんな状況下にいても、世界中の人たちに夢を持って生きていって欲しいと願っている。
「hopeless」この単語が、毎日毎日わたしの頭をめぐって、わたしを苦しめていた時期がある。
「あなたはHIVウィルスに感染しています。」
そう告知されてから、それは何年も続いた。
「hopeless」の呪縛のおかげで、結果的には貴重な数年間を暗く過ごす事になってしまった。
でも、もうその呪縛は解かれた。
「恋愛も結婚も、子供を産むこともできないんだ・・・それどころか、若くして死んでしまうんだ」と絶望し、疲れ切った10代のわたしはもういない。
今は、普通の女性としての幸せを手に入れることに夢焦がれる、実に乙女チックな30代の自分がここにいる。
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