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HIV(エイズウイルス)とともに生きる女性たちによるエッセイ集。
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エッセイ
 
「少女とキノコの家」 / マリア
彼女は気分がすぐれない時、キノコの家に閉じこもった。そこは誰の手も届かず、誰からも傷つけられない場所だ。その家の中には架空の友人たちがいた。現実の友人を作るより楽だったのだ。架空の友人たちといると、誰にどう見られるかを気にすることもなく、気安く自分をさらけだすことができた。関係を終わらせるのも簡単だった。それは現実には存在しないものだったからだ。

ある日、彼女はふと考えるようになった。なぜそんな友人たちが欲しいのだろう。そして気がついた。これまで現実の友人にひどく傷つけられてきたために、自分を傷つけない架空の友人のほうが良くなったのだと。

もうひとつの理由は仮想性そのものにあった。架空の友人たちは仮想世界の住人であり、実在しない。だから死ぬこともない。ただ消え去るだけなのだ。そして死にまつわる苦しみを免れることができる。見捨てられたり拒絶されたりする苦しみも避けられる。キノコの家の中はより安全な世界なのだ。

それでも、彼女は孤独な少女だった。
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