HIV(エイズウイルス)とともに生きる女性たちによるエッセイ集。
「健康って・・・」 / 里衣子
今現在、HIV感染症という病気は、適切な「服薬」によって、病気の進行や症状を抑える事が可能になってきている。
これは、わたしたち患者にとって、とてもありがたい事だが、この「服薬」というのがけっこう大変だ。
毎日欠かさず、決められた時間と条件で。
これが基本であるが、簡単そうに思える事を実際に継続するのは、意外と根気のいることである。
わたし自身は、服薬を開始してから8年になるが、その半分以上の年月を副作用に悩まされて
いる。
定期的に行われる血液検査では、数値上、治療はうまく行っているし、今後しばらくわたしの身に何か大きな問題が起きそうな気配はないと思う。
しかし、日常的にわたしが感じている体の不調や変化は、それが長期的になる事で、時には「薬なんて飲みたくない!」と思わせる事もしばしばだ。
初めて抗HIV薬を飲み始めた頃には、強い副作用のためにまず食欲がなくなった。そして、どんなに大好きな食べ物を目の前にしても「おいしい」と感じる事ができなかった。ただ食べ物を口の中に入れてモグモグ・・・そんな感じだった。そして、もう二度とおいしく楽しい食事なんてできないんじゃないか?と、失望した。
病気と付き合って生活していく事はとても大変な事だ。
でも、病気を抱えているからこそ健康に感謝する事ができる。そして、それはとても大切な事じゃないかな。
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