HIV(エイズウイルス)とともに生きる女性たちによるエッセイ集。
「仕事」 / マリア
数日前に、「Equality at work: tackling the challenges(職場に置ける平等:課題へのとりくみ)」と題されたILO(国際労働機関)の報告書を読んだ。そのなかで、年齢、性的指向、そしてHIV感染の有無が最近の職場における差別の要因として挙げられていた。
あらゆる人に労働の自由があるとはいうものの、現実は大違いで、ヨーロッパの人口に占める失業者の割合は大きい。なかでもポルトガルは失業問題が最も深刻な国の一つだ。そして非常な性別のギャップを併せて考えるなら、女性や差別される側の人々(慢性疾患を抱えた人々)は、失業しているか不安定な職に甘んじているという筋書きが垣間見られることになる。そしてこの筋書きは、ダーウィンの自然淘汰説の頃から変わらない。
去年、私は失業の重圧にもがいていた。職探しだけではなく、修士号の取得という目標があったとはいえ、私は自信を失い、自尊心も世間体もあったものではなく、生活費の支払いに追われ、ちゃんと食べなければいけないのに食欲も湧かなかった。希望を失い、根無し草のような心持ちになり、もはや自分の居場所などないように思われた。私はひどくふさぎ込んだ。不公平な境遇の中、私は正義や民主主義の基本、そして今まで自分が築いてきたものすべてに疑問を抱かざるを得なかった。
私は今、自営業をやっている。40歳の女にはそれが唯一の答えだった。不満ではない。将来が不安定なことを除けば、この仕事は私が自立していると実感でき、また自分の裁量で時間をやりくりすることができるので気に入っている。それに、こうしてボランティアの仕事に専念することができる。今取り組んでいる、ポルトガルのHIV陽性女性団体のための活動だ。
活動をすることで、私は誰かの役に立っている、どこかに属している、そしてチームの一員なのだという気持ちを抱くことができる。そして私には、そんな気持ちが心から必要なのだ。
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