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HIV(エイズウイルス)とともに生きる女性たちによるエッセイ集。
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エッセイ
 
「今までのこと、これからのこと」 / 里衣子
わたしには大きな秘密がある。

それは、わたしが「HIVウィルス」という誤解と偏見が多いウィルスに感染してしまったという事だ。この事は家族と一部の友人しか知らない。自分の周りにいる極々限られた人にしか伝えていない。この事を伝えても変わらずにいてくれるわたしの良き理解者たちは、いつでもわたしを支えてくれている。

でも、何かが足りない・・・。そう、女性としての幸せ!

考えてみると、18歳の時の初恋が最初で最後のふつうの女の子としての恋愛だった。その彼によってHIVと出会う事になったのだが、それ以降は、恋愛に対して臆病になってしまった。

でも、人生って結構長いし、一人で生きていくのは寂しい。臆病なままじゃ何も変わらない。第一わたしはこそこそ生きなくてはいけないのか?そう自問してみたら、答えは「NO」だった。

そんな時にある男性が、近くにいた。最初は何とも思っていなかったのに、段々と彼の優しさを感じるようになっていった。気持ちも通じていった。そして、わたしは勇気を出して彼に全てを話す事になった。わたしの身に何が起こったか、今は何がどうなっているのか、そしてこれからどうなりたいのか。彼はこっちが拍子抜けするくらい簡単にわたしとHIVを受け入れ、わたしと付き合いたいと言った。

その後、彼とは長く付き合う事になったが、いろいろなすれ違いがあり、別れてしまった。また振り出しに戻ってしまった感じではあるが、たくさんの前進もあった。

彼は一緒にいた頃にわたしにこう言ってくれた事がある。「もし、病気になっていなかったら、今の里衣子ではないだろう。自分は今の里衣子が好きだ」と。

本当にその通りだと思った。わたしはHIVと共に生きている。それは、わたしの人格や考え方や生活に大きく関わっている。彼が言うように、HIV無しにわたしは語れない。

だから、出会うべき人が現れたら、その彼はわたしとHIVを受け入れてくれだろうと信じている。

そして、ちょっとした夢もある。HIVと共に生きている女性の友人たちとそれぞれの彼を交えてのグループデート。幼稚に思えるかもしれないけど、そういうあたりまえの事に憧れてしまう。人生まだまだこれからだもの。きっと実現できる。
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