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HIV(エイズウイルス)とともに生きる女性たちによるエッセイ集。
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エッセイ
 
「HIVとの出会い」 / 綾
HIVとの出会いは20年ほど前に遡ります。友人との待合せまでに時間があり、ジュースでもいただくかくらいの軽い気持ちで献血をしました。その数日後、赤十字センターから「お話したいことがあるのでご来訪いただきたい」という旨の手紙を受け取り、HIV感染を告知されたのです。その日は、両親への謝罪の気持ち、思い当たる相手への恨み、もっと慎重であれば避けられたのではないかという悔恨、そしてそれまでの平凡な人生の有難みに気づくと同時に、今更変えられない不幸な現実を嘆き、これが夢であったらと真に願いました。

それからは、普通に仕事をし、友人とも遊びましたが、体の血液を全部抜いて入れ替えられたらとか、人知れず死ねる場所はどこかないかなど、HIVによる被害者である私から抜け出せずに、常にHIVが頭から離れず、完全にネガティブ思考でした。

そこから私を救い出してくれたのは主人との出会いでした。今では、HIVにより異性とのお付き合いに臆病になってしまっていたことで、彼と出会うことができ、今、このように幸せな生活が送れているのかもしれないと思うことさえあります。

それから同じ感染者の方々との集まりに参加するようになり、HIVに感染しているとはいっても、それはただの病気の一つであり、全く特別なことではないと気づきました。また、そこでの出会いは私の人生にとって非常に貴重な宝物でもあります。病気にならなければ接点がなかったであろう人達との出会い、人生経験や心が豊かな人、おもしろい人、温かい人、バイタリティーのある人・・・たくさんの素敵な人達に出会えました。

あんなに恨みがましく思ったHIVとの出会いですが、今では私の人生を豊かなものにしてくれていると感謝しています。長く付き合ってみないとわからないものですね。
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