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がん治療における口腔ケアのあり方とは、がん患者の口腔トラブルサポートの今を、県立静岡がんセンターの大田洋二郎口腔外科部長にうかがいました。
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がん治療と口腔ケア
がん治療の分野で注目される口腔ケア。サンスターは2006年5月から、静岡県立静岡がんセンター、静岡県歯科医師会と共同で、「がん治療における口腔合併症の予防、軽減するための共同研究」をおこなっています。県立静岡がんセンターの大田洋二郎口腔外科部長に、がん治療における口腔トラブルについてうかがいました。
大田 洋二郎
1961年宮崎県生まれ。北海道大学歯学部卒。国立がんセンター歯科医師員を経て、90年、西ドイツのカタリネンホスピタルに留学。02年より、静岡県立静岡がんセンター口腔外科部長に。03〜06年、厚生労働省がん研究助成金「がん患者における口腔内合併症の実態調査と予防方法の確立に関する研究」の主任研究員
大田 洋二郎口腔外科部長
1.がん治療と口腔ケア
 がん治療と口腔ケア。一見、何のつながりもないようですが、最近、そこには密接な関係があることが分かってきました。がんの治療法のなかでも、口にもっとも影響を及ぼすと言われているのが、抗がん剤治療です。十数年前から、がん細胞を集中的に攻撃し死滅させる、効果の強い抗がん剤が使われるようになっています。そのなかでも、とくに口や食道など、食事の通過部位である消化器系のがんには、粘膜のがんを集中的に攻撃する抗がん剤が使われることが多くなっています。
  そうした抗がん剤は、がん細胞のまわりの、正常な細胞も攻撃してしまいます。そのため、強い抗がん剤が始まると、抗がん剤の作用で強い口内炎(口腔粘膜炎)や、味が分からなくなる味覚障害など様々な口のトラブルに苦しむ患者さんが増えてきました。
  また抗がん剤の影響で唾液をだす細胞が障害をうけると、唾液が少なくなり、口の中も乾いてきます。通常、口の中の健康は唾液の持つ様々な機能によって守られているので、これが少なくなれば、口の中のばい菌が繁殖しやすくなります。さらに抗がん剤治療中は体力も落ちていますから、それまで気がつかなかった虫歯や歯槽膿漏が、一気に進んでしまうことも少なくないのです。
 さらに、口の中のばい菌が口内炎の部分から全身にひろがると、熱が出て、体力もさらに消耗してしまいます。そのような場合、ばい菌の増殖をおさえる抗生物質の投与が必要になりますし、重症になると、がんの治療を一時的にストップすることもあります。
  こうしたトラブルを防ぐため、米国では抗がん剤治療や、口の周りに放射線治療を受ける場合は、治療を開始する前に、歯や歯肉の病気をまず治療するという意識が一般的になっています。がん治療に入る前に、歯科医師と相談して虫歯や歯槽膿漏など、トラブルが生じそうな箇所を歯科的に治療しておく。日本でも、最近やっと、がん治療におけるそうした口腔ケアの重要性が注目されてきたところです。
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