- ムシ歯リスクの高い集団に受動的予防策(passive prevention) -
北欧諸国とちがって、アメリカは様々な民族からなり、社会経済的にも大きな格差があり、教育水準も様々です。このような状況下にあって、60年も前から広い地域にわたってムシ歯予防対策が行われていました。それが水道水へのフッ化物添加です。2000年のアメリカ疾病管理予防センター(CDC)の調査によると、全米で1億6200万人がフッ化物添加水を飲用しています。またアメリカは、世界で初めてフッ化物配合歯磨剤を発売した国であり、同歯磨剤のシェアは市場全体の95%を占めています。このようなことがアメリカのムシ歯予防の成功に大きく寄与してきました。 フッ化物添加水のように、人が意識しなくても自然に受けられる予防策を「受動的予防(passive prevention)」と呼び、ハブラシやフッ化物配合歯磨剤を自ら購入するなど能動的行動に基づく予防を「能動的予防(active prevention)」と呼んでいます。経済的に恵まれない、教育水準の低い層は能動的予防をほとんど行わないため、ムシ歯リスクの高い集団となりますが、フッ化物添加水は特に意識することもなく、経済的負担もなくムシ歯の予防を行うことができるのです。 |