- 先進国では低下しているが、リスクの高い集団に集中する傾向がある -
世界のムシ歯有病率については、2003年に世界保健機関(WHO)が報告した「12歳児の歯科調査」の結果から、二つの傾向が見えてきます。 一つは先進諸国では永久歯のムシ歯有病率は1975年以来、一貫して低下傾向を示しているということです。これは学童児だけでなく成人にも同様の傾向がみられます。しかしながら、先進諸国でムシ歯が克服されつつあるという訳ではありません。むしろムシ歯は、リスクの高い人たちに集中していると言えるでしょう。例えば、学童児の総ムシ歯数の75%は、25%の学童児に集中し、また高齢者の根面ムシ歯が増加しつつあります。 もう一つの傾向は、途上国では、ムシ歯有病率が上昇傾向にあるということです。かつて砂糖の摂取量が少なく、ムシ歯の発生も少なかった途上国では、砂糖のほか発酵糖質などの摂取量が増えるにしたがい、お口の中の環境が変化し、ムシ歯の発生を促進する状態になってきたのです。また、ムシ歯予防策を講じてこなかったため、有病率は上昇し、学童児と若年層で大きな問題となっています。 |