Q:歯周病になるとどんな症状があらわれるのですか?
A:
歯周病の進行は、非常にゆっくりしているので、日常の口腔内の変化はなかなか気がつきません。かなり進行した状態でも自覚する症状は少ないのが普通です。多くの場合歯周病になっていることを自覚するのは歯槽骨が吸収して歯が動くのを感じてからです。 歯周病の臨床症状は、歯肉の赤味、腫れ、出血、口臭、歯肉のかゆみ、唾液のネバネバ、歯が動く、歯肉の退縮、歯が抜けるなどで、この変化は進行の程度によってまちまちです。
歯周病になった歯周組織は細菌に対抗するために炎症を起こしています。この炎症をもった歯周組織の内部では、次のような反応が段階的に生じます。歯周病は、『徐々に歯周組織を破壊していく病気』であり、それに応じて色々な症状があらわれます。
歯周病の成り立ちについて

歯周病の増悪因子は、病因サイクルを加速させるように働き、歯周病の病状を悪化させます。歯周病治療は、細菌数を減らし、病的細菌叢を改善し、このサイクルを止めることで進行を抑え、そして生体の応答を賦活し組織を修復しやすくします。出典:S.
Offenbacher, Ann of Periodontol 1996 から引用・改変)
1)歯周炎の初期(歯肉炎)
歯肉の内部で増殖した歯周病菌に対抗するために白血球(特に好中球)が増えます。
白血球を歯肉に供給するために毛細血管を増やす必要があります。その結果として、歯肉の辺縁が「赤味」を帯びてきます。

2) 歯周炎の早期
歯周病菌が増殖するのに対して白血球だけでは対抗し切れなくなるので、歯周局所にマクロファージやリンパ球を動員して免疫による防御をするようになります。炎症の進展につれて、局所(歯肉)には、次第にそれらの防御のための細胞が増えて行きます。つまり、初期の症状が顕著になり、「腫れ」と「出血」を伴うようになります。
*マクロファージとは?:骨髄に由来する単球幹細胞が組織に到達して、比較的大型の貪食機能を持つ細胞に成長します。機能的には傷害を受けた組織を修復したり、細菌やその他の異物の侵襲から防御する役割りを担っています。細菌やウィルスなどを取り込んで殺菌・消化する点では、白血球と同じ働きをしています。その他にも侵襲した細菌の情報をリンパ球に伝え、免疫系を始動させる機能を持っています。従って、生体の防御には欠くことのできない重要な細胞です。

3) 歯周病病変の確立
歯周ポケットができていることをはっきりと目で確かめることができます。この状態になると、歯周病組織(歯肉上皮、歯肉結合組織、セメント質、歯槽骨)の全般的な破壊が始まります。

4)歯周病の確立
歯肉は潰瘍を帯び、歯槽骨の吸収がひどくなり、歯肉の赤味、腫れ、出血、口臭、歯肉のかゆみ、唾液のネバネバ、歯肉の退縮、歯が抜けるなどの歯周病の典型的な症状を示します。
イラスト提供 : 岡山大学 |
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