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Q:歯周病が糖尿病を悪化させると聞いたのですが本当ですか?
A:
身体のどこかに炎症があると、糖尿病を悪化させることがあります。糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。
1型は膵臓からインスリンが出なくなった人に起こります。 2型はインスリンがあっても、インスリン自体に感受性を示さなくなった人に起こります(この状態のことをインスリン抵抗性と言います)。歯周病は炎症ですからどちらの型の糖尿病にも悪影響を及ぼします。



健康な状態では血中の糖が多くなると膵臓はインスリンを放出して身体の脂肪細胞、骨格細胞、および肝細胞に糖を取り込むよう働きます。
この動きによって細胞はエネルギーを貯え、身体の血糖は恒常に保たれます。しかし、糖尿病になると、とりわけ脂肪細胞は炎症性サイトカインを産生してインスリンの働きを弱めるように作用するので、血糖値に悪影響を及ぼし、その恒常性を失います(インスリン抵抗性)。これが、炎症が糖尿病を悪化させる理由の一つです。

歯周病が進行した状態では歯周病病巣から炎症性サイトカインが産生されます。この炎症性サイトカインが口腔内の毛細血管を伝って血中に入ると、ますますインスリン抵抗性が増すこととなり、糖尿病の症状が進行します。逆に、歯周病を治療して口の中の状態が良くなると、インスリン作用を阻害する物質が少なくなるので、糖尿病の症状が良くなります。

糖尿病が歯周病を誘発したり、その進行を早めたりすることは相当以前から分かっていました。この機序について、以前は身体全体の免疫力低下の一環として説明されていました。最近では、それだけでなく糖尿病患者の身体内で多くなっている糖化蛋白質が免疫細胞(マクロファージ)を刺激してサイトカインを産生したり、血管壁を狭窄したりするためにインスリン抵抗性が生じると説明されています。つまり、産生したサイトカインが歯周病の炎症症状を強めるのです。そのため、歯周病は腎症(腎機能障害)、網膜症(視力低下)、神経症、大血管障害、小血管障害の慢性合併症に次ぐ、第6番目の合併症とも言われるようになりました。

イラスト提供 : 岡山大学
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