Q:歯周病が心臓病の原因になるって本当ですか?
A:
最近のアメリカのNIHが旗を振る疫学研究によって、歯周病は心疾患を引き起こすリスクファクター(危険因子)のひとつであることがはっきりしてきました。
関係がある心疾患は心内膜炎と虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)です。もともと心臓弁や心内膜壁に障害がある人は、歯周病細菌が血流を介して定着し、細菌性心内膜炎を起こすことがあります。最近は、虚血性心疾患との関係の方がもっと注目されています。心臓の筋肉に酸素を供給しているのは管状動脈ですが、それが狭くなって起こる心臓病が心筋梗塞と狭心症であり、両者をまとめて虚血性心疾患といいます。筋肉の一部が壊死するのが心筋梗塞で、血行不良の状態にあるのが狭心症です。

歯周病が虚血性心疾患のリスクとなる経路は大きく言って、二つあると考えられています。

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歯周病菌の内毒素に対抗して防御のために免疫細胞が働くと、炎症性サイトカイン
などが血流を介して心筋血管壁に作用します。その結果、酸化ストレスが増加することで血管そのものを変性させます。
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ある種の歯周病菌が持っている血小板凝固因子が直接心臓冠動脈血管に血栓を形成するように働いて血管腔を狭めます。 |

これらの酸化ストレスや血小板凝固因子等による作用は心臓血管壁のコレステロール沈着、血管平滑筋増殖、血栓形成などを起こして心臓血管を粥状に硬化するのを助長し、虚血性心疾患を発症する危険性を高めます。

*酸化ストレスとは?:身体に害を及ぼす因子に反応したときに起こる身体の緊張状態をストレスと言います。ストレスには、外傷、熱、精神不安定、酸化などの種類があります。酸化ストレスは呼吸によって取り入れた酸素の一部が活性酸素となり、体内の色々な物質と反応して障害性に働くものを指して言います。
活性酸素は細菌の膜を破壊する作用もあるので細菌感染を防ぐ意味では有用なのですが、過度に産生する生体に対して毒性を持つようになります。この活性酸素は、免疫反応に際して、マクロファージや白血球からも産生されるので、炎症の状態では組織の細胞に障害を起こします。

イラスト提供 : 岡山大学
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