Q:歯周病になり易い体質なんてあるのでしょうか?
A:
歯周病になり易いとか、なり難いという体質は個人々々によって異なります。歯周病の発症と進行には細菌感染だけではなく、歯周病になり難いとか、なり易いといった『遺伝的要因』や喫煙、加齢、ストレスなどの『環境要因』が関わっています。ある個人が先天性の遺伝的要因として歯周病になる危険因子を持っていても、悪い環境要因がないかぎり歯周病は発症しません。これが、先天性の遺伝病とは異なるところです。歯周病になり易い、あるいは悪くなり易いといった遺伝要因によって左右される状態は、俗に個人の『体質』と言われています。個人の持つ遺伝的要因は数え切れないくらいありますが、最近、その幾つかは特定されるようになってきています。
このことは、最近の科学(分子生物学)の進歩によって裏づけられるような事柄ですので、一般論として説明を加えておきます。
昨年(2003年)、『ヒトの全ゲノムDNA配列が決定された』という驚くべきニュースがありました。ヒトゲノムの塩基配列(遺伝子DNAの配列)が解読され、おおよその遺伝子の位置とその機能の関係が分かるようになったのです。そして、個人々々の遺伝情報の違いを“地図”の上で確かめることもできるのです。したがって、これを基に病気に関わる遺伝子を探し出すことができるようになりました。病気の人群のDNA配列中には健康な人群のそれとは異なる塩基の配列が見つかります。また、健康な人群でもかなりの頻度で塩基配列の違いが見つかります。それを、ひとつの塩基配列の違い(スニップという)によって病気になる人と病気にならない人を区別する技術も開発されてきました。病気の人群の遺伝子スニップを含む場合、病気になる『危険因子』を持っていると言います。風邪をひき易い体質、ひき難い体質などと言われますが、これはこのような危険因子の違いの考え方によって説明されます。歯周病についても全く同じ言い方が当てはまります。
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